2013 Fiscal Year Annual Research Report
イオン照射を用いた微細組織制御によるヘテロ構造SiCナノチューブの創製とその機能
Project/Area Number |
23760646
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
田口 富嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (50354832)
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Keywords | SiCナノチューブ / イオン照射 / 微細組織観察 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
これまでに合成に成功している多結晶SiCナノチューブについて、原子力機構 高崎量子応用研究所TIARA照射施設にて、照射温度、イオン種、照射量を変化させ、系統的にイオン照射を行った。その後、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、微細組織変化を観察した結果、900℃におけるイオン照射では、単結晶SiCナノチューブが、200℃以下におけるイオン照射では、アモルファスSiCナノチューブがそれぞれ合成できることを見出した。さらに、200℃以下のイオン照射において、照射量を最適化することにより、数nmから十数nm程度の大きさのSiC微結晶が残存した微結晶SiCナノチューブの合成にも成功した。さらに、200℃以下のイオン照射において、イオン種をNi、Zr、Auと変化させ、多結晶SiCナノチューブに照射した結果、原子番号が大きいイオンで照射した場合、原子番号が小さいイオンで照射した場合に比べて、小さな照射量で、多結晶SiCナノチューブからアモルファスSiCナノチューブへ変化することを明らかにした。また、これまでに確立している多結晶SiCナノチューブからの微結晶及びアモルファスSiCナノチューブの合成条件により、多結晶SiCナノチューブの前面に、TEM用マイクログリッドを設置して、イオン照射を行った。その結果、一本のナノチューブ内に、多結晶と微結晶、及び、多結晶とアモルファス相が、それぞれ混在している二種類のヘテロ構造SiCナノチューブ(多結晶-微結晶SiCナノチューブ及び多結晶-アモルファスSiCナノチューブ)の合成にも成功した。
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