2013 Fiscal Year Annual Research Report
官能基を考慮したナノカーボン強化複合材料の機械特性の多次元的相関性の解明
Project/Area Number |
23760648
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
中村 和正 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (90433870)
|
Keywords | 複合材料・物性 / 表面・界面物性 / 解析・評価 / 機械材料・材料力学 / 材料加工・処理 |
Research Abstract |
繊維質のナノカーボンであるカーボンナノファイバー(以下、CNFとする)を実用部材へ適用をするために、必要となる主な機械的特性に摩擦摩耗特性がある。CNFの添加量そしてCNFの表面処理が摩擦摩耗特性に与える影響の知見を得ることを目指している。さらに、ナノからマイクロ領域の摩擦特性が、マクロ領域の摩擦摩耗特性に与える影響も合わせて検討している。 昨年度までの結果から、0.1~5.0 wt.%CNF添加したCNF強化炭素複合材料の摩擦摩耗特性は、比較的ランダム配向の状態で、添加量が少量のときに比摩耗量が低く、嵩高くなるにつれ比摩耗量が大きくなったが、どの添加量の試料ともマトリックスであるガラス状炭素の比摩耗量より低くなった。比摩耗量の変化と相関するように、動摩擦係数も変化した。SEM観察より低CNF添加量の複合材料は、摺動後でも表面が滑らかであることが分かった。また、複数の溶液処理により炭素の表面状態を変化させたCNFを使用して作製したCNF強化炭素複合材料の摩擦摩耗特性は、未処理のCNFで作製した複合材料よりも比摩耗量が低くなった。しかし、動摩擦係数の変化と比摩耗量の変化との相関性は見られなかった。SEM観察より、比摩耗量が低くなった原因は、それぞれの溶液処理によりメカニズムが異なることが推測された。つまり、CNFの表面処理の方法により、CNFの引き抜けが起こりにくくなることで比摩耗量が減少することや、CNFが積極的に引き抜け摺動面と試験機の間での潤滑したため比摩耗量が減少することなどが考えられ、それらが動摩擦係数の変化を反映していると推測される。 さらに、FFMによりナノからマイクロ領域の摩擦試験を行った結果、その摩擦係数は比摩耗量の変化に対応していた。そして、マトリックス上とCNFとの界面の摩擦係数を比較したところ、全体として界面の摩擦係数が低くなることが分かった。
|
Research Products
(3 results)