2013 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性材料を内包可能な単分散ポリマー微粒子合成法の開発
Project/Area Number |
23760652
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
山内 紀子 福島工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (20598106)
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Keywords | 微粒子 / 液相合成 / 磁性粒子 / ポリマー粒子 / 複合粒子 / 機能性ナノ材料 |
Research Abstract |
金属や金属酸化物などの無機材料は、一般に磁性、誘電性、蛍光性など多様な機能を有する。このような無機材料をナノサイズ化した無機ナノ粒子は、そのままの状態では凝集や劣化などを起こしやすいことから、ナノ粒子をポリマー等の粒子に内包して安定な状態で利用することが求められる。本研究では外部磁場応答性をもつ代表的なナノ粒子であるマグネタイト(Fe3O4)粒子をポリマー粒子中に包含した磁性ポリマー複合粒子の作製に関する研究を実施した。複合粒子を作製する際に重要であるのは、無機ナノ粒子とポリマー間の親和性の向上である。その方策として、ジエチルアミン中でのシランカップリング剤によるマグネタイト粒子の表面改質を検討した。シランカップリング剤は、アルコキシ基の加水分解、続いてマグネタイト粒子表面にあるヒドロキシ基との脱水縮合によって粒子表面へ付与されるが、加水分解および脱水縮合反応を促進するために、塩基性触媒が用いられることが多い。塩基性触媒としては、一般的にはアンモニアが用いられるが、本研究ではルイス塩基であるジエチルアミンを用いた。ルイス塩基性触媒であるジエチルアミン中におけるシランカップリング反応により、マグネタイト粒子表面にフェニル基、ヘキシル基、メチル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基などの種々の官能基を導入でき、これらの表面修飾マグネタイト粒子を用いて、磁性ポリマー複合粒子の作製に成功した。水溶媒中におけるソープフリー乳化重合系では、メタクリロキシ基を導入したマグネタイト粒子を用いて複合粒子を作製できた。一方、水/メタノール混合溶媒中における分散重合系では、グリシドキシ基を導入したマグネタイト粒子が最も良好に複合化された。さらに、モノマー中に直接マグネタイト粒子を分散させて複合化する場合には、フェニル基のような疎水性が高い基をもつシランカップリング剤処理が有効であった。
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Research Products
(7 results)