2012 Fiscal Year Annual Research Report
測定応力に基づく遮熱コーティングシステムでの剥離の定量評価と剥離抑制機構の付与
Project/Area Number |
23760662
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
長谷川 誠 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (50376513)
|
Keywords | 界面強度 / ひずみエネルギー解放率 / 応力測定 |
Research Abstract |
本研究では遮熱コーティングシステムを対象に、TGO層の応力成分や分布を同定し、測定結果からTBCsの応力基準での界面剥離機構や剥離開始条件の解明を試みた。さらに、BC層の塑性変形を積極的に利用して、剥離進展時の界面剥離エネルギーを増大させて剥離を抑制する機構を開発し、耐剥離性に優れた新規TBCsの作製プロセスの確立を目指した。 ①BC層の熱処理・熱曝露による降伏応力の評価:熱処理および熱曝露後のBC層を対象にビッカース硬さ試験の結果に基づいて降伏応力を評価した。 ②TGO層の残留応力成分評価:熱曝露後のTBCsに対してEBSD測定により得られる菊池パターンのゆがみから歪および応力成分を決定するウィルキンソン法を利用して応力成分の評価を行った。 ③熱サイクルおよび熱・力学的負荷試験:選定した候補TBCsに対して、熱サイクルおよび熱・力学的負荷を加えた。熱サイクルは、実使用環境に近い温度(1273~1423K)にて1時間毎の熱サイクルを加えた。熱・力学的負荷も1時間毎の熱サイクルとともに、異なる繰り返し負荷を加えた。熱サイクルおよび熱・力学的負荷を加えた剥離前のTBCsに対しても、BC層の降伏応力、TGO層の残留応力成分、TBCsのせん断剥離特性を評価した。さらに、TC層が剥離するまでTBCsに熱サイクルおよび熱・力学的負荷を加えて寿命を評価した。 ④結果のまとめ: TBCsの応力基準での界面剥離機構や剥離開始条件に与える影響をTGO層での応力成分や最大応力値、応力状態を基に明らかにした。また、TGO層での残留応力成分や応力値、TBCsのせん断負荷による界面剥離特性や寿命の評価から最適なプロセス条件を見出し、剥離抑制機構を付与した耐剥離性の高い、新規遮熱コーティングシステムの実現がおおむね達成された。
|