2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23760668
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井手 拓哉 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40507183)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ロータス金属 / ガス化合物熱分解法 / ヒートシンク / 多孔質材料 |
Research Abstract |
小型の水平型連続鋳造装置を用いてガス化合物熱分解法によりロータス銅を作製した.連続的にタンディッシュ(反応炉)にガス化合物である水素化チタンおよび溶融銅を添加することで円柱状の気孔が一方向に配列したロータス型ポーラス銅が作製できた.また,一方向凝固時の凝固速度を変化させロータス銅を作製した.引出速度の増加に伴い気孔率は増加し,気孔径はわずかに減少した.引出速度の変化に伴う気孔率の変化については,速い速度では,水素化チタンの熱分解後の溶融銅の保持時間が短いため,脱ガスによる溶融金属のガス濃度の変化が小さいためであると考えられる.一方,気孔径が引出速度に依存しない結果は,従来の高圧ガス法により作製したロータス金属の気孔径の引出速度依存性とは大きく異なる.この結果については,今後さらなる研究が必要である.さらに,本年度は,上記で得られた知見に基づき,高圧ガス法用の垂直連続鋳造装置もガス化合物熱分解法を適用できるよう改造した.上記の結果と同様に連続的に溶融金属およびガス化合物を反応させ,一方向凝固させることで一方向性気孔が生成した.今後は,水素センサー等を設置し,溶融金属のガス濃度変化を詳細に調べる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画では,ガス化合物の選定,添加量,添加間隔等の確立によりガス化合物熱分解法を作製することを主たる課題とした.それらについてはおおよそ確立できた.また,大型装置も改造し,水素センサ等を設置可能にした.それを利用することで,ガス化合物添加による溶融金属のガス濃度変化を詳細に考察することが可能であると考えられる.本研究では,計画当初の水平型連続鋳造装置に熱分解法を適用したロータス金属の製法開発だけで無く,装置規模によらない製法の開発が期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,大型の垂直型連続鋳造装置を用いてガス化合物熱分解法を用いたロータス金属の製法の確立を行う.作製時に水素センサを用いてガス化合物の添加条件と溶融金属のガス濃度変化を考察する.さらに,同装置を用いて高圧ガス法を用いてロータス金属を作製し,気孔形態に及ぼす凝固条件の影響を明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の主な使途は,研究計画通り消耗品の購入である.るつぼ,鋳型および熱電対等を主に購入する.
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