2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子の光誘起増強電場を利用したナノ発光材料の高機能化
Project/Area Number |
23760673
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
鶴岡 孝章 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 講師 (20550239)
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Keywords | 金属ナノ結晶 / 半導体ナノ結晶 / 表面プラズモン共鳴 / 電場増強効果 / 蛍光消光 / 蛍光増強 |
Research Abstract |
本研究では、金属ナノ結晶の電場増強効果による半導体ナノ結晶の発光増強を目的としていた。 最終年度は、シランカップリング処理を施した石英基板上に金属ナノ結晶を固定化させ、ジチオール分子にて修飾した後、半導体ナノ結晶の固定化、さらにチオール分子による半導体ナノ結晶表面修飾を行い、金属・半導体ナノ結晶複合固定化基板を作製した。 金ナノ結晶とCdTeナノ結晶の組み合わせにおいては、ナノ結晶間リンカーであるジチオール分子の鎖長を変化させても変化はなく、いずれの場合においても発光消光が確認された。これは、半導体ナノ結晶の発光を金ナノ結晶が吸収したことによるものであると考えられる。 一方、銀ナノ結晶とCdTeナノ結晶の組み合わせでは、結晶間の距離が近接している場合においては消光していたが、リンカーとしてペンタンジチオールを用いると発光強度が3倍程度まで増強することが明らかとなった。この試料において蛍光寿命測定を行ったところ、CdTeナノ結晶固定化基板のみと比較して、蛍光寿命が短くなっていることが分かった。この結果より、蛍光増強はCdTeナノ結晶内にて生じたエキシトンが発光性の誘起双極子として銀ナノ結晶へとエネルギー移動したことに起因していると考えられる。
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Research Products
(4 results)