2012 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒材料のための環境制御TEM試料ホルダーシステムの開発とその応用
Project/Area Number |
23760674
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
橋本 綾子 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (30327689)
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Keywords | 透過型電子顕微鏡 / その場観察 / 光エネルギー変換材料 / 試料ホルダー |
Research Abstract |
光触媒をはじめとする光エネルギー変換材料の研究や開発が盛んに進められているが、変換材料としての特性評価とともに、構造や反応メカニズムを理解することは重要で、そのために化学分析や顕微鏡観察もしばしば行われている。透過型電子顕微鏡(TEM)は、ナノスケールで構造や現象を観察・分析できる手法の一つである。TEMによる観察では、通常、真空中での観察となるが、材料は様々な環境下で使用されている。そのため、動作環境に近い状態をTEM内に形成させる環境制御技術が注目を集めている。 本研究では、光エネルギー変換材料を対象にして、光を照射させた状態でのその場観察を目指し、TEM内に光照射環境を形成させる光照射TEM試料ホルダーシステムを開発した。また、このシステムを使い、さらに、電子線ホログラフィーを利用することで、光触媒やシリコン系太陽電池などの光エネルギー変換材料の電位を解析した。 光源にはXeランプを用い、光源と試料ホルダーの間は、石英でできたライトガイドを用いて接続した。試料ホルダーにも、石英ロッドを組み込み、試料の近傍まで光が届くようにしてある。この試料ホルダーをTEMに挿入し、光照射その場観察をした。例えば、シリコン膜などを堆積させた太陽電池では、光照射前後での位相の変化を電子線ホログラフィーにより解析した。ホログラフィーを用いると、電場や磁場による位相の変化を調べることができる。電子線ホログラフィーを用いて、光エネルギー変換材料内の光照射による電位の変化を調べることに成功した。
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