2012 Fiscal Year Research-status Report
フォトクロミック反応を活用した平版印刷法の開発と有機エレクトロニクスへの展開
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23760680
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
則包 恭央 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (50425740)
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Keywords | 光相転移 / アゾベンゼン / 光異性化 |
Research Abstract |
近年、有機材料を種々の電子デバイスに活用する開発研究が行われている。これらの有機電子デバイスの特徴は、既存の無機材料ベースのデバイスよりも軽く柔軟性があり、しかも蒸着等の真空プロセスに替わって印刷技術を用いて作成でき、低コストで低環境負荷であると期待されることである。このようなデバイスの実現には、新材料の開発に加え、適した印刷プロセスの開発が求められている。現状では、既存の印刷技術の延長線上の技術が多く提案されているが、これらは必ずしも最適な方法とは言えない。そこで本研究課題では、有機電子デバイスを印刷プロセスによって簡便に作製するために、フォトクロミック反応を活用した新しい印刷方法を開発する。そのための基盤技術として、光応答性のインク材料および光応答性の平版を開発し、それらの光応答特性について検討する。上記課題を解決するため、本年度は、研究代表者らが新たに発見した、アゾベンゼン誘導体における光融解現象を活用した、インク材料の開発と物性制御について研究を行った。合成化学的手法を用いた新規材料の探索と、光DSC、偏光顕微鏡観察、X線構造解析を用いて検討した。その結果、分子設計の基盤的な指針を得たことに加え、光融解現象の物理化学的な理解を深め、応用に資する材料開発へと前進することができた。また、パターン作成法に関する基盤的な検討を加え、材料物性に適したプロセス開発を行った。次年度は、材料及びプロセスに関する上記知見を活用し、発展させることにより、印刷デバイスの作成に資するプロセス開発を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書中「課題1」に関しては、化合物に関する物理化学的な知見および新規化合物の開発の部分で当初の計画以上の飛躍的な進展があり、プロセス材料として有望な結果を得ている。一方で「課題2」に関しては、実験遂行上の課題があり、計画通りの結果は得られていない。以上を総合的に判断して、おおむね順調であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに設計した化合物を活用し、実際に平版印刷法に適した化合物の開発と、プロセス開発を行う。加えて、研究課題遂行中に見出した新しい知見を活用して研究を発展させ、有機デバイスの作製を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬・実験器具および研究補助への謝金に使用予定である。
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