2012 Fiscal Year Annual Research Report
コリレイティブマイクロスコープ解析に基づく汎用マグネシウム合金押出材の高速化
Project/Area Number |
23760691
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
本間 智之 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (50452082)
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Keywords | マグネシウム / 塑性加工 / 押出し / 析出物 |
Research Abstract |
高速押出しが可能なMg合金の開発を目的に、汎用元素を組み合わせた主にMg-4Al-3Ca-0.3MnおよびMg-6.4Zn-0.2Ca-0.2Mn(mass%)合金を選択し、通常の押出し加工を施した際の第2相粒子の分散挙動および機械的性質の関係をコリレイティブマイクロスコープを用いて解析した。押出し加工後の時効処理により析出物を微細かつ大量に分散することで、結晶粒径をZパラメータで整理したグラフのひずみ速度の大きな領域で見られる右上がりの挙動を右下がりにする可能性を検討した。 Mg-Al-Ca-Mn合金では金型鋳造材および断熱鋳型連続鋳造材の2種類のビレットを用いて、押出し材の組織解析を行い、初期組織が押出し後の組織形成に及ぼす影響も検討した。押出し組織の特徴として、押出し棒の外周部付近の結晶粒が微細化する傾向が見られ、中心部では未再結晶領域が残留する傾向が認められた。この未再結晶領域は押出し方向に対して最密六方晶のc軸が垂直になる、底面集合組織を形成する。TEMおよびHAADFにより動的再結晶粒、未再結晶領域ともに板状のAl2Ca相および球状のAl-Mn析出物が確認され、動的再結晶粒の成長を抑制するピン止め効果および析出強化を同時に満たすことを確認した。 一方、Mg-Zn-Ca-Mn合金では、押出し温度の結晶粒径および機械的性質への影響を検討し、押出し温度の低下および時効処理により、結晶粒の微細化が促進され、0.2%耐力が290MPaを越える材料の創製に成功している。時効析出については、棒状および球状の2種類の析出物が確認され、析出強化による強化分を理論式に当てはめることで析出強化の寄与を算出することができた。MnはZrのようにMg中と包晶反応を示し、Zr同様析出物内部に含有されることで析出物の微細化を促進する傾向も認められた。
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