2012 Fiscal Year Annual Research Report
反応性プラズマプロセスにおけるラジカル・イオンの相互表面反応過程の解明
Project/Area Number |
23760694
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹田 圭吾 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00377863)
|
Keywords | 原子状ラジカル / 表面損失確率 / 反応性プラズマ / 吸収分光法 |
Research Abstract |
反応性プラズマによるプロセスは、活性種であるラジカルやイオンの相互反応により進行するため、それらを詳細に明らかにすることが今後のプラズマプロセス技術の発展のため極めて重要である。しかし、材料表面で反応する活性種の振る舞いは、様々な粒子が存在する反応性プラズマ内部において極めて複雑であることが多く、明らかになっていないのが現状である。本研究では、プラズマプロセス内での原子状ラジカルの表面損失確率に着目し、真空紫外吸収分光法により、それを定量的に評価することを目的としている。平成24年度においては、昨年度から引き続いて、真空紫外吸収分光法を用いた平行平板タイプの二周波励起容量結合型プラズマ内での原子状ラジカルの計測に加え、SiH4/H2混合ガスによるプラズマCVDプロセスにおけるシリコン薄膜成膜中の水素ラジカルの表面損失確率の評価も行った。プラズマCVDを用いたシリコン薄膜合成においては、水素ラジカルの表面反応が、合成されるシリコン薄膜の膜質に大きく影響を与えることは知られているが、シリコン薄膜上での詳細な表面損失確率については明らかにされていない。この実験においては、SiH4/H2流量比またはシリコン薄膜の成膜温度をパラメータとし、水素ラジカルの表面損失確率を計測した。その結果、水素ラジカルの表面損失確率は、プラズマ状態、シリコン薄膜の膜質、表面温度によって変化することが明らかとなり、実プロセスの条件として用いられることの多い基板温度200℃においては、その確率がほぼ1となることが分かった。この結果より、シリコン薄膜の成膜時に表面に拡散してきた水素ラジカルはほぼすべて反応し、膜質変化に寄与していることが示された。
|
Research Products
(7 results)