2012 Fiscal Year Annual Research Report
超音速衝突個体セラミックス粒子接合メカニズムの解明と成膜技術としての確立
Project/Area Number |
23760696
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 基宏 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00432295)
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Keywords | コールドスプレー / 酸化チタン / 界面接合 / ナノ構造 / 加水分解 |
Research Abstract |
原料粉末を超音速ガス流により加速し、固体のまま基材表面に衝突・偏平させることで付着・堆積させる成膜技術であるコールドスプレー法は塑性変形を起こす金属材料の新規成膜技術として開発が進んでいる。これに対し、申請者らは①微細な一次粒子から構成される10μm程度の凝集粉末、②多孔質な構造での凝集、③一次粒子が大きな結晶中で配列、という三大要因を満たすセラミックス粉末を用いることによるセラミックス成膜への適用について検討を行った。 超音速個体セラミックス接合が可能な粉末材料のナノ構造の重要性を調査するため、種々の条件で酸化チタン(TiO2)粉末の合成を行った。硫酸チタネルを原料とした加水分解によりTiO2粉末の作製は可能であるが、硫酸アンモニウムの添加および水熱合成の後処理を加えて得られた粉末のみが申請者らが提案する三大要因を満たすナノ構造を有していた。また、これらの合成粉末をコールドスプレー法による成膜に供したところ、三大要因を満たす硫酸アンモニウム添加および水熱合成処理を施した粉末のみが堆積可能であることを確認した。 また、粒子付着形態の微細構造観察により、結晶中で配列していた微細な一次粒子が超音速で基材表面に衝突した際に破断され、活性な新生面が基材および堆積粒子間において結合を起こすことを確認した。これらの結果から、申請者らが提案する三大要因を満たすセラミックス粒子を用いることにより、コールドスプレー法における超音速衝突個体接合が実現したことを明らかにした。
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