2012 Fiscal Year Annual Research Report
液相中レーザー溶融法による酸化チタン真球粒子の合成と光学特性評価
Project/Area Number |
23760701
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石川 善恵 香川大学, 工学部, 准教授 (20509129)
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Keywords | 粒子合成 / レーザープロセッシング |
Research Abstract |
本研究では、従来の液相レーザーアブレーション法よりも弱い強度(十分の一程度)のレーザー光を液相中に分散させた原料粉体に照射することによって、原料粉体が溶融するプロセスを利用した新しい真球粒子の合成技術開発(液中レーザー溶融法)に取り組んだ。平成24年度は、酸化チタンに並んで蛍光体や光触媒として有用である酸化亜鉛も扱った。酸化亜鉛のサブミクロンオーダーの球状粒子は特に研究的、産業的にもニーズが高く、これまでにも複数の研究グループによって酸化亜鉛に対する液中レーザー溶融法が試みられてきた。しかし同様なレーザー条件であるにもかかわらず、研究グループによって生成する粒子サイズがナノ~サブマイクロメートルと広い領域に渡って異なる結果が得られることが明らかとなりつつあった。そこで異なる品番の試薬の酸化亜鉛原料粒子を用い、それらの凝集・分散特性が生成物サイズに及ぼす影響を明らかにした。さらに当初の平成24年度の計画に挙げた「分散媒の化学的および物理的特性が粒子の真球性や粒子サイズに及ぼす影響の調査」の項目の一つである「分散液の影響」の調査として、分散液への電解質添加によりイオン強度を変化させ、原料粒子の凝集性を制御することによってこれまでサブマイクロメートルサイズの球状粒子の生成が困難であった酸化亜鉛原料粒子に対しても、サブマイクロメートルサイズの粒子合成が可能であることが明らかとなった。また当初、主に平成23年度の計画に挙げていた「レーザー条件や原料粒子サイズが真球性や粒子サイズに及ぼす影響の調査」の更なる検討として、2つに分岐したレーザービームの光路長の違いにより一方を時間遅延させたビームを重ね合わせることにより擬似的にパルス幅を変化させ、生成物に及ぼす影響の調査も行ったが、現時点では顕著な影響は確認出来なかった。
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Research Products
(5 results)