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2011 Fiscal Year Research-status Report

ダイレクトアンモニア燃料電池用多層モノレイヤー型高活性アンモニア酸化触媒の開発

Research Project

Project/Area Number 23760704
Research InstitutionTokyo National College of Technology

Principal Investigator

城石 英伸  東京工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30413751)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords燃料電池 / 触媒・化学プロセス / 新エネルギー
Research Abstract

本研究では,ダイレクトアンモニア燃料電池用多層モノレイヤー型高活性アンモニア酸化触媒の開発を目指しており,本年度は,まず,純金属の場合のアンモニア酸化能を測定し,不活性有機物(2,2’-ビヒリジン)による表面マスク法と,モンテカルロシミュレーションによる解析を組み合わせることによって,アンモニア酸化に必要なサイト数を見積もるための研究を行った。その結果,白金上において,アンモニアの吸着部位によって,反応メカニズムが変化することが示唆され,より貴な電位の水素の吸着波が減少する場合は3サイト,そうでない場合は2サイトが,アンモニアの酸化には必要であることが示唆された。次に,アンダーポテンシャル析出法が確立しているAuディスク電極上で,Pt,Ruを多層モノレイヤー貴金属被覆(Pt|Ru|Pt|Au,Pt|Ru|Au,Pt|Au)してアンモニア酸化の活性を研究した。また,比較のために,多層バイレイヤー貴金属被覆(PtPt|RuRu|PtPt|Au,PtPt|RuRu|Au,PtPt|Au)を調製し,各種物性の測定を行った。多層モノレイヤー貴金属被覆Au電極のXPS測定結果より,Pt4f軌道の結合エネルギーが下地の金属によって大きく影響を受けることが示された。 また,Auを下地としたモノレイヤー触媒の中で特に活性が高かったものについて,コア-多層シェル型のナノ微粒子を作製し,アンモニアの酸化触媒能を研究する予定であったが,Auを下地としたものに高い触媒活性を有するものがなかったことと,数ナノサイズのAuコア担持触媒がなかなかできなかったことから,本年度はPtコア-貴金属シェル型のナノ微粒子を作製し,アンモニアの酸化触媒能を研究した。その結果,Ptコア-Pdシェル,Ptコア-Irシェル触媒がPt触媒より高活性であることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

はじめに,Au電極上に被覆したCu モノレイヤーの被覆率が向上しないという問題に直面し,非常に時間をとられてしまった。また,Cuモノレイヤーを被覆したあと,金属溶液で置換する前にはがれてしまうという問題も発生し,非常に時間をとられてしまった。また,Au-コア-貴金属シェル触媒を作製する際にAuコアがなかなか小さくならないという問題が発生したため,代わりとして今年度はPtコア-貴金属シェル触媒を作製し,触媒能を評価した。現在はAuコアも小さくできる見通しが立ったところであるが,後述するように多層モノレイヤー被覆Au電極の触媒能があまり高くなかったため,他の金属コアを優先して実験していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究で,シェルが白金である触媒において比較すると,Pt4f軌道の結合エネルギーが低いほど,アンモニア酸化活性が高いという結果が示唆された。この結果を更に確認するとともに,よりPt4f軌道の結合エネルギーを低下させるにはどのような方法が適切であるのかを研究することによって,高活性なアンモニア酸化触媒の開発を推進していく。また,金属が変わると律速過程が変わる可能性があるので,アンモニア酸化過程を素反応に分解し,それぞれの速度定数を算出し,比較検討することが必要になると考えられる。そこで,アンモニアの電気化学的酸化における素反応について,微分方程式を立式し,Runge-Kutta法と,Gauss-Newton法を組み合わせることによって,電流値の経時変化から速度論的パラメータを算出し,それぞれの触媒について比較することによって,アンモニア酸化触媒の開発を円滑に推進できるようにすることを目指す。今年度は,IrとRh基板で実施する予定であったが,Pdナノ微粒子担持多層カーボンナノチューブ触媒の調製が最も順調であること,IrおよびRh基板の価格が非常に高いこと,Cu UPDから貴金属の置換について,更に詳しく検討する必要性があることなどから,次年度予定していたPd基板およびPdコアシェル触媒について先行して研究を行うこととしたい。特にCu UPDから貴金属の置換については,QCM等を使ってさらに研究をする必要性を認識しているところである。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は,上述のようにPd基板およびPdコアシェル触媒について先行して研究を行うこととしたい。予算の100%を消耗品として使用予定である。まず多層モノレイヤー貴金属触媒を作製するための,Pd基板の購入である。次に,モノレイヤー層を作製するための貴金属塩化物(場合によっては硝酸塩や硫酸塩等)や,硫酸,過塩素酸等の購入に充てる。また脱気用の窒素ガス,貴金属成分分析用のICP測定用のArガスおよび高純度酸の購入にも充てる。また,上述のように研究の進展次第では,QCM用電極の購入が必要になる可能性がある。また,Pt4f軌道の結合エネルギーを低下させる手法について,ある程度実験方法のめどが立った時点で,触媒を調製するための試薬の購入に充てる。次に,Pdコア-多層シェル型のナノ微粒子触媒の合成に必要な試薬(還元剤,溶媒など)やガラス器具の購入に充てる。作製した触媒の電気化学的触媒活性を測定するための回転リングディスク測定法用消耗品(回転リングディスク電極やAgブラシ),合成・測定用のガラス器具などにも充てる予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] 多層貴金属モノレイヤー被覆電極によるアンモニアの電気化学的酸化2012

    • Author(s)
      東 翔太,城石英伸,長井圭治
    • Organizer
      第79回電気化学会
    • Place of Presentation
      アクトシティ浜松
    • Year and Date
      2012 – 0329
  • [Presentation] コアシェル型貴金属微粒子担持多層カーボンナノチューブによるアンモニアの電気化学的酸化2012

    • Author(s)
      森田聖太郎,東 翔太,城石英伸,長井圭治
    • Organizer
      第79回電気化学会
    • Place of Presentation
      アクトシティ浜松
    • Year and Date
      2012 – 0329
  • [Presentation] 貴金属担持多層カーボンナノチューブによるアンモニアの電気化学的酸化2012

    • Author(s)
      森田 聖太郎,東 翔太,城石 英伸,長井 圭治
    • Organizer
      第14回化学工学会学生大会
    • Place of Presentation
      東京高専
    • Year and Date
      2012 – 0303
  • [Presentation] Ammonia Electrooxidation Activity on Noble Metal Monolayers on Gold Electrodes2011

    • Author(s)
      Shota Azuma, Hidenobu Shiroishi, Keiji Nagai
    • Organizer
      第21回日本MRS学術シンポジウム
    • Place of Presentation
      横浜情報文化センター
    • Year and Date
      2011-12-20
  • [Presentation] 多層モノレイヤー貴金属触媒によるアンモニアの電気化学的酸化2011

    • Author(s)
      東翔太,城石英伸,長井圭治
    • Organizer
      第108回触媒討論会
    • Place of Presentation
      北見工業大学
    • Year and Date
      2011 – 0921

URL: 

Published: 2013-07-10  

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