2013 Fiscal Year Annual Research Report
ダイレクトアンモニア燃料電池用多層モノレイヤー型高活性アンモニア酸化触媒の開発
Project/Area Number |
23760704
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
城石 英伸 東京工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30413751)
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Keywords | 燃料電池 / 多層コアシェル触媒 / アンモニア酸化 |
Research Abstract |
アンモニアは年間120万トンを日本国内で製造,そのうち84万トンを輸出しており,国内自給エネルギー源として有望である。これを直接低温~中温型燃料電池の燃料として使用することができる技術を開発することを目標とした。従来PtやPtIrがアンモニア酸化に(不十分であるが)活性を有していることがわかっていた。そこで更なる高活性触媒の開発を目指し,多層モノレイヤー貴金属被覆触媒を合成し,その活性を定量的に評価することを目指した。 研究は困難を極めたが,最終年度は,単層シェルコア型金属微粒子触媒として,ついに改良型Cu-UPD法またはエタノール還元法を用いることよってPt/Rh/MWCNTとPt/Pd/MWCNTを合成することができた。 RhやPd触媒では、アンモニアの電気化学的酸化能はほとんど見られなかったが,改良型Cu-UPD法によってPtを被覆すると,アンモニアの酸化能の向上が見られた。またエタノール還元法によって合成した多層シェルコア触媒は,Pt/Ir/Rh/MWCNTではPtやPt/Ir/MWCNTよりも活性化過電圧が低下しており,Pt/Ir/Pd/MWCNTではPt/Ir/MWCNTよりも活性化過電圧は高くなった。このことから,シェルが2層になっても,コア金属の違いがアンモニア酸化能に影響することが明らかとなった。シェルを2層にすることで,より多くの金属の組み合わせでコアシェル触媒を合成することが可能となり,細かく被毒の吸着エネルギーの制御が可能になることが示唆された。コアシェル触媒では,配位子効果や歪み効果などの効果が検討されており,これらの効果によってシェル金属の電子状態が変化し,吸着化学種の吸着エネルギーが変化したため,アンモニア酸化能に影響をもたらしたと考えられる。
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