2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23760705
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 忠 長野工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (70383487)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 材料加工 / 電磁圧接 / 電磁成形 / 高エネルギー速度加工 |
Research Abstract |
衝撃電磁シーム溶接法は「アルミニウム薄板や銅薄板を特性の大きく異なる鋼板など異種金属材を容易に溶接できる」「厚さ3 mmの薄板から厚さ6.5 μmの金属箔のシーム溶接が可能である」など様々な利点を持つ.しかしながら,本接合に関する最適な接合条件に関しては,経験的にしか得られていないのが現状である.本研究の目的は,衝撃電磁シーム溶接法における最適な接合条件を明らかすることである.これまでの実験において,「接合部には2カ所の溶接部とその間の非溶接部が存在すること」「シーム溶接された部分は,面でなく2本の線状に溶接されること」が明らかになっている.このことに衝突パラメーターが大きく関わっていることが考えられる. そこで研究の初年度(平成23年度)は,最適な接合条件を明らかにするために構造解析用コンピューターを導入し,アルミニウム薄板同士を接合する場合の変形シミュレーションを行った.ここで検討した項目は,「薄板衝突時の変形挙動」「接合部近傍の変形の状態」「薄板衝突時の速度」「衝突後の速度変化」「薄板衝突時の角度変化」などの衝突パラメーターである. その結果,「衝突点移動速度は,初期衝突点から離れるにしたがって減少すること」「衝突角度は,初期衝突点から離れるにしたがって増加する」「初期衝突点近傍で2枚のアルミニウム薄板が接合されない原因は,初期衝突点近傍の衝突点移動速度が非常に速く,衝突角度が小さいためである」「間隙が広くなるとFlyer plate肩部の相当塑性ひずみが大きくなる」「良好な接合を得るためには間隙を設け,適切な衝突角度を与えることが不可欠であるが,注意して間隙を設ける必要がある」ことなどが明らかになった. なお,研究初年度に得られた結果については,本年度末に開催が予定されている衝撃関係の国際会議で発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災の影響もあり,科研費が減額され研究計画の変更が必要になる恐れがあったことから,物品の購入を控え現有の設備を利用した予備実験などを行った.そのため研究の進行にやや遅れが生じた.その後全額の助成が決定したことから,予定していた物品を購入し予定通りの研究を開始した.現在,当初の研究の遅れを取り戻すべく研究を進めている.今後の研究に及ぼす影響はそれほど大きくはないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして,接合シミュレーションを行うとともにアルミニウム薄板同士の接合実験を平成23年度に引き続いて行う.アルミニウム薄板同士を接合する場合の接合界面状態と衝突パラメーターとの相関については平成24年度中頃を目標に明らかにする.上記研究とともに,ここまで得られた結果をもとに特性の大きく異なる異種金属同士を接合した場合の接合界面状態と衝突パラメーターの検討にも着手する.方法については平成23年度と同様である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前々項述べたような研究計画の遅れから,次年度に使用する研究費が生じている.この研究費については,昨年度購入を控えた動ひずみデータ収集処理装置の購入に充てる予定である.組織観察については現有設備で対応できるが,接合界面の評価のための設備の拡充が望まれる.そこで本年度中にLinuxによるデータ処理用コンピューターとそれに対応したデータ出力装置を導入し,現有設備と組み合わせて改善を図る.昨年度得られた結果について平成25年3月に開催予定の衝撃関係の国際会議で発表するとともに,学術論文を投稿する.
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Research Products
(1 results)