2011 Fiscal Year Annual Research Report
希土類のオキシフルオライドの熱力学と希土類廃棄物の再資源化への展開
Project/Area Number |
23760709
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 修 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60447141)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 希土類永久磁石 / リサイクル / 酸化弗化物 / 熱力学 / ギブズエネルギー |
Research Abstract |
世界最強の永久磁石であるNd-Fe-B系永久磁石は、希土類元素のネオジム(Nd)やジスプロシウム(Dy)が主要成分として用いられているが、その素材(酸化物や金属)の生産が中国の寡占状態にある。そのため資源の供給が不安定であり、近年は供給が一時停止するなどの問題が発生している。そこで、報告者らは、磁石廃棄物中のNdやDyを効率よく再資源化するプロセスの開発を行っている。その方法は、磁石廃棄物に弗化物を混合、溶融して、廃棄物中の不純物(特に酸素)を抽出除去するというものである。このリサイクルプロセスを実用化するためには、酸素の除去限界を見積もる必要がある。そのためには、希土類元素(Ln)の酸化弗化物(オキシフルオライド,LnO_xF_y)の高温での熱力学特性、特に標準生成ギブズエネルギー変化の情報が必要である。しかし、希土類のオキシフルオライドの熱力学的な研究はこれまで皆無であった。そこで、本研究では、LnO_xF_yの熱力学諸量を測定・決定することを目的とした。平成23年度は、起電力法により、NdOF、DyOFおよびLaOF(La:ランタン)の標準生成ギブズエネルギー変化を決定した。その結果、NdOFの標準生成ギブズエネルギー変化の温度依存性は、文献値とよく一致した。また、これまで報告例のない、DyOFおよびLaOFの標準生成ギブズエネルギー変化を決定することができた。これらのオキシフルオライドは、希土類元素の原子量が増大するほど(希土類イオンのイオン半径が減少するほど)、化学的に安定になる(ギブズエネルギー変化が低下する)ことが分かった。
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Research Products
(4 results)