2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760711
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平木 岳人 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60550069)
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Keywords | アルミニウムドロス / 残灰 / リサイクル / 金属アルミニウム / 窒化アルミニウム |
Research Abstract |
アルミニウムの物質循環において、溶融プロセスで不可避に発生するドロスおよびドロス残灰のリサイクルは極めて重要な課題である。とくにドロス残灰は、微粒子であるために高い反応性を有しているにもかかわらず、爆発の原因となる金属分、アンモニア発生源となる窒化物、さらには塩害の原因となる塩化物を含むため、焼却や埋め立て処理が困難である。 今年度は特にドロス残灰に着目し、その粒径別の組成分析を行った。そこでは、金属アルミニウムと、窒化物および塩素が、粒径に対して異なる依存性を示していることを明らかにした。すなわち、適切なふるい分けのみで、簡易に金属アルミニウムを高濃度化し、一方で不純物である窒化物と塩素の濃度を低減させることが可能となる。ふるい分けのメッシュサイズを大きくするほど、ふるい上のメタル含有率が高くなる傾向にあるが、残灰の回収率は低下するため、適切なメッシュサイズの選定には、ふるい上残灰の組成と回収率の両方を考慮する必要がある。本研究では、各メッシュサイズにおけるふるい上ドロス残灰の組成と回収率の関係を明らかにし、製鉄プロセスにおける助燃や脱酸の有効成分である金属アルミニウムの含有率が、メッシュサイズ100-200μmにかけて大きく上昇していることを明らかにした。このとき窒化アルミニウムと塩素の含有率は大きく低下し、メッシュサイズが200μmより大きくなっても組成はほぼ変化していなかった。残灰の回収率はメッシュサイズ500μmとしたときに約60%となるまで直線的に低下することがわかる。すなわち、メッシュサイズを200μmより大きくしても組成に大きな変化はなく、回収率だけが低下するため、残灰のスクリーニングに最適なメッシュサイズは200-300μm程度であることを見出した。
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Research Products
(4 results)