2013 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質連続リフォールディング法におけるインターフェースとしての機能膜の開発
Project/Area Number |
23760718
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大橋 秀伯 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (00541179)
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Keywords | タンパク質 / リフォールディング / 機能性高分子膜 / インターフェース / プラズマグラフト重合 / 低温パーオキサイド法 |
Research Abstract |
タンパク質は高い反応性・基質特異性を持ち、幅広い応用用途を持つ。現在大腸菌によるタンパク質の大量発現が可能となっているが、発現したタンパク質に活性を持たせるためにはタンパク質を3次元に正しく折り畳むリフォールディングの過程が必要不可欠である。 タンパク質の大量生産を可能とする連続リフォールディング技術は将来的に大きな需要が見込まれる。本研究では、連続法の特徴的なインターフェースであるタンパク質とバッファーの接触界面に「機能性高分子膜」を用いることで、高効率なリフォールディングを目指した。 24年度までに本テーマ内で開発したプラズマグラフト重合法(低温パーオキサイド法)により、イソプロピルアクリルアミドリニアポリマー・スルホベタインリニアポリマーをグラフト固定化した機能化高分子膜の作成に成功した。また、タンパク質の活性回復率がタンパク質のバッファーの注入速度に大きく依存することを見出だした。 26年度は、この活性回復率のバッファー注入速度への依存性が一般的な現象であることを確認するとともに、化学工学シミュレーションを用いて、膜細孔内における可溶化剤の濃度分布計算を行った。その結果、バッファー注入速度が充分でない場合、膜内における可溶化剤の濃度が低下し、これが活性回復率低下を招くことを見出した。 一方、バッファーの注入速度が高すぎると、タンパク質の膜内における滞留時間が短くなりリフォールディングに必要な時間を確保することができない。リフォールディングを有効に促進するためのインターフェースには、膜内の適切な修飾に加えて、膜内の可溶化剤濃度を確保し、なおかつ膜内の滞留時間を稼ぐような設計が必要であることが分かった。そしてこの設計は膜内の分子拡散性の情報により可能となることを示した。
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Research Products
(12 results)