2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規プロセスに基づいた銀ナノワイヤからなる次世代型導電膜の作製法の構築
Project/Area Number |
23760730
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松根 英樹 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10380586)
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Keywords | ナノワイヤー / 銀 / 薄膜 / 三級アミン / 合成 |
Research Abstract |
銀ナノワイヤからなる透明導電膜ならびに微細配線の作製を検討した.導電性と透明性を確保する上で細くかつ長いナノワイヤを用いることが非常に重要であり,そのようなワイヤを調製することを目的に,我々が開発した新規調製法に関して,調製条件の系統的な探索を行った.具体的には,保護剤である三級アミンを用いたナノワイヤ合成に関して,還元剤の種類,合成温度,保護剤の種類,銀原料の種類,さらには組成比を検討し,合成法を確立するととも生成メカニズムを反応速度の観点から考察した.その結果,銀ナノワイヤのアスペクト比が各外部因子により大きく変化することが分かった.特に,加熱温度や三級アミンのアルキル鎖,還元剤の種類で大きく変化した.最終的に,得られたナノワイヤーの中で最も細いものは直径は20nm程度であり,長さは20μm以上であった.以上の合成法は,銀ナノワイヤの合成法として極めて珍しいものであり,学術的に意義深いものである.三級アミンは従来球状粒子にのみ用いられてきたが,ナノワイヤーの合成にも有効であり,得られるナノワイヤの構造制御にも有効であることがわかり,工学的にも非常に価値があるものであると考える.次に,薄膜化を目的に基板処理方法を検討した.種結晶を担体に固定化し,それを起点に結晶が成長して得られるナノワイヤについて調べた.処理時の蒸発をおさえる目的で,高分子を含有させた用いた.スピンコーターで薄膜化したナノワイヤ薄膜と比較した.さらに中空のカプセルを作製し,銀ナノワイヤの原料を埋包させて,インクジェット印刷に適用できるように工夫する検討も行った.作製した導電膜の導電性と銀量の関係を調べ,導電膜作製に必要な最適量を見出すことを検討し,その結果,導電膜の作製に成功した.今後,面積をさらに拡大していくことが課題である.また,微細配線についても検討し,塗布したパターンで銀ナノワイヤを作製した.
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Research Products
(7 results)