2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760734
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 広和 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教 (30545968)
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Keywords | 炭素 / 固体触媒 / セルロース / 酸化 |
Research Abstract |
アルカリ賦活炭はセルロースの加水分解に高い活性を示すが、賦活に水酸化カリウムが必要なこと、アルカリ廃液が出ること、炭素の塩酸による洗浄が必要なことが欠点であった。そこで、アルカリ賦活に替わる簡便な炭素触媒の調製法として特に空気酸化を行い、また過酸化水素酸化・硝酸酸化も試みた。安価な水蒸気賦活炭にこれらの処理を行ったところ、特に空気酸化が高い触媒活性を示し、アルカリ賦活と同等以上の活性が発現することを見出した。空気酸化を行うことにより、炭素表面のカルボキシル基が80から900 μmol/gに、ラクトン基が30から620μmol/gに、フェノール基が100から190μmol/gに増加した。これら付与された官能基が活性点になったと考えられる。 次に、炭素触媒を加水分解以外の反応に応用した。セルロースの加メタノール分解反応を実施した結果、メチルグルコースが収率60%で得られた。また、加エタノール分解ではエチルグルコースが収率44%で生成した。従来、加エタノール分解には可溶性の酸が必要と考えられてきたが、固体触媒により本反応を達成することができた。 また、炭素触媒によるエステル交換反応を実施した。トリラウリンとメタノールを反応させたところ、76℃の低温でもラウリン酸メチルが生成することが分かった。炭素のスクリーニングを行い、特にアセトニトリルのCVDにより窒素をドープした炭素が高い活性を示すことを見出した。ラウリン酸メチルの収率は最高でまだ9%と低いものの、炭素触媒は耐熱性が高いため、反応温度を上昇させれば高収率化が期待できる。
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Research Products
(5 results)