2013 Fiscal Year Annual Research Report
酵素活性部位の空洞構造が直鎖アルカンからの選択的アルコール異性体生成に及ぼす影響
Project/Area Number |
23760739
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮地 輝光 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (40452023)
|
Keywords | 酵素反応 / 分子認識 / 触媒・化学プロセス / 直鎖アルカン / アルコール異性体 |
Research Abstract |
本研究は、直鎖アルカンからアルコールへの位置・立体選択性に、アルカン水酸化酵素活性部位の空洞構造が及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。この目的を達成するため、平成25年度は、基質結合部位空洞サイズを変えた種々のシトクロムP450BM-3の調製した。さらに、調製した酵素を用いた直鎖アルカンからアルコールへの酸化反応における反応生成物の定量を行い、生成物選択性を調べた。その結果、以下のことを明らかにした。 1)シトクロムP450BM-3の直鎖アルカンからアルコール異性体への選択性:野生型のシトクロムP450BM-3は炭素数5~8の直鎖アルカンからアルコールへの酸化反応において、複数のアルコール異性体を生成する、すなわち低いアルコール異性体への選択性を示すことがわかった。 2)アミノ酸側鎖Ala328へのアミノ酸側鎖置換がアルコール異性体への選択性に及ぼす影響:活性点近位に存在するAla328をより嵩高いアミノ酸側鎖(Leu, Val, Phe)に置換することで、2-アルコールへの選択性が増大した。その選択率は70~85%であった。2-アルコールの立体異性体への選択性は、置換するアミノ酸側鎖の種類と直鎖アルカンの炭素数に依存した。例えば、Ala328をLeuに置換した直鎖ペンタンから2-ペンタノールへの酸化反応では、R体の立体異性体が選択率77%で得られた。一方、Ala328をPheに置換した場合、S体の立体異性体が選択率85%で得られた。
|
Research Products
(3 results)