2011 Fiscal Year Research-status Report
電気化学測定と熱測定の複合システムによる糖質バイオマス分解過程の解析
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23760746
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
巽 広輔 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (60336609)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | バイオセンサー / バイオマス |
Research Abstract |
申請者らは、電流計測型バイオセンサーをカロリメトリーの測定セルに導入することにより、電気化学測定と熱測定との複合システムを構築し、バイオマス加水分解過程の詳細な酵素反応速度論的解析、とくにエンド型とエキソ型酵素による協同効果についての定量的解析を行なうことを目指しているが、本年度は、まずエンド型であるセロビオヒドロラーゼによる各種セルロースの加水分解反応を、電流計測型バイオセンサーを用いることにより追跡し、とくに定常状態に至る前の、短い反応時間(1分程度)における反応速度の変化について詳細に検討を行なった。短い反応時間における生成物の濃度変化を正確に測定するため、電流計測型バイオセンサーの酵素固定化法に工夫を施し、従来のものより格段に応答の速い(1秒以内)センサーを得ることに成功した。そのセンサーを用いて各種セルロースの加水分解反応速度を測定・解析したところ、実験結果はある一定数のセロビオース単位まで加水分解が進行したときセロビオヒドロラーゼが非活性型になることを仮定したモデルからの予想とよく一致し、セルロース表面に結合した非活性型セロビオヒドロラーゼの遅い解離が定常状態前の反応速度を支配していることが示唆された。以上の研究結果は、論文2報(Journal of Biological Chemistry, 287, 1252-1260 (2012); ibid., in press (2012))および学会での講演等において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電流計測型バイオセンサーによる糖質バイオマスの分解過程の追跡実験において、一定の成果が得られ、論文等で発表できた。とくに電流計測型バイオセンサーの酵素固定化法に工夫を施し、従来のものより格段に応答の速いセンサーを得ることに成功したことで、短い反応時間における生成物の濃度変化を正確に測定できるようになった点は大きな進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
電気化学測定と熱測定との複合システムを完成させ、糖質バイオマスの分解過程を追跡する実験を行なう。これまでに、複合システム構築のための準備として必要なバイオセンサーの検討については十分な結果が得られているので、今後は実際に種々の糖質バイオマスを用いて条件を変えながら測定を行ないつつ、必要があれば適宜システムに改良を加える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画どおり、消耗品、旅費等に使用する。消耗品の主なものとしては各種試薬、電極材料、ガラスおよびプラスチック器具等を購入する予定である。旅費については、国内学会における研究発表を2~3回予定している。
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Research Products
(5 results)