2011 Fiscal Year Research-status Report
カイコを用いたヒト由来タンパク質のハイスループットな発現・精製システムの開発
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23760747
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 竜也 静岡大学, 農学部, 助教 (00397366)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | カイコ / タンパク質発現 / ハイスループット |
Research Abstract |
今年度はカイコの組換えタンパク質のハイスループットな発現に向けた発現用ベクターの構築を主に行った。ligation-independet cloning法(LIC)用のベクターを構築した。発現させるタンパク質のC末端側にStrep-TagIIまたはヒスチジンタグを付加させることができるベクターを構築し、ヒト由来のmicrosomal triglyceride transfer protein (hMTP)-protein disulfide isomerase (hPDI)複合体をカイコ幼虫で発現させた。このhMTP-hPDI複合体をカイコ幼虫脂肪体からTALON affinityゲルとStrepTactin agaroseゲルを用いて精製することができた。またhMTP-EGFP融合タンパク質もカイコ幼虫およびさなぎで発現させることができた。これの結果より、今年度構築したLICベクターは正常に働くことが示され、今後の研究に利用できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は新しいLICベクターを構築することであり、研究実績の概要で示すように新しいベクターを構築でき、そのベクターがこれからの研究に使用できることが確証された。よって本研究の当初の予定通りにおおむね順調に進展しているといえる。しかし、来年度に向けた研究の準備の予定をする予定もあったが、それが少し遅れているため、計画通り研究を遂行するように努力をする。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究として、H24年度は、カイコでのタンパク質発現に使用するBmNPVウイルスのDNAのハイスループットな調製法の確立を行う。これには96ウェルプレートを用いた様々なDNA調製キットを用いて行う予定である。具体的には96ウェルプレートを用いたバクミドDNAを有する大腸菌の形質転換法の確立、形質転換体からのハイスループットなバクミドDNAの抽出、カイコへ注射するバクミドDNA溶液のハイスループットな調製法の確立が求められる。またカイコでのハイスループットな組換えタンパク質の生産にはカイコさなぎを用いる予定であるが、カイコさなぎへのバクミドDNA溶液注射のハイスループット化に向けた条件検討(DNA量、液量など)を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、バクミドDNAのハイスループットな調製のために必要なキット類、96ウェルプレート、DNAトランスフェクション試薬、カイコなど消耗品を購入するために用いる。また今年度から繰り越す研究費は今年度使用予定であったプライマーの購入費に充てる。
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Research Products
(1 results)