2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞の未分化維持するための培養面の設計および新規増幅培養プロセス開発
Project/Area Number |
23760749
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金 美海 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30506449)
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Keywords | 生物・生体工学 / 細胞・組織 / 再生医療 / 培養面設計 / 未分化維持 / iPS細胞 |
Research Abstract |
ヒト人工多能性幹細胞 (iPS細胞) を用いた再生医療や創薬などの産業的利用が期待されている。良質なiPS細胞を安定して提供するためには、未分化維持培養方法としての培養環境の改良や評価手法の開発が必要となる。我々は、D-グルコースをデンドリマー面に提示し、デンドリマー世代数を変化させることで、間葉系幹細胞の骨格形成に重要な足場タンパクであるRhoファミリー発現の制御を確認している。本申請課題では、「多分化能を有するヒト iPS 細胞の未分化維持するための培養面の設計および新規増幅培養プロセス開発」を試みた。 平成24年度では,グルコース提示型デンドリマー面を用いたヒトiPS細胞の培養を無フィーダー分散培養下で行った。ヒトiPS細胞を用い、グルコース提示型デンドリマー培養面(世代数:1,G1面)およびデンドリマーを提示しない培養面(PS面)にて、Rho関連キナーゼ(ROCK)阻害剤を含むmTeSR1培地にて分散培養を行った。さらに、対照として、ラミニンをコートした培養面上で培養したヒトiPS細胞の未分化能を評価した。培養5日目の細胞について、蛍光染色法による未分化指標マーカーを評価したところ、G1面上での細胞集塊内ではラミニン面と同様に、ヒトiPS細胞の未分化マーカーであるE-cadherin, Oct3/4, SSEA4陽性であることが確認された。以上の結果から、グルコース提示型デンドリマー面はヒトiPS細胞培養のための基材として有望であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)