2013 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジーによる糖脂質誘導型アミロイドーシスの解明
Project/Area Number |
23760758
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
迫野 昌文 独立行政法人理化学研究所, 伊藤細胞制御化学研究室, 客員研究員 (50391959)
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Keywords | アミロイド / 糖脂質 |
Research Abstract |
本研究ではGM1構造を基盤とした非天然型糖脂質の化学合成を行い、Abetaとの複合化における糖鎖の構造による影響を解明することを目的とする。GM1以外の、Glc, Galを有する別の糖脂質においても、Abetaとの複合化およびアミロイド凝集促進が実験的に確認されている。その際、凝集速度がGM1と異なることが明らかになっている。このことは、GlcおよびGal以外の、非還元末端側の糖の構造が、ベータシート化を含むAbetaの構造転移に積極的に関わっていることを示唆している。よって、GM1の非還元末端側に位置するGal, N-acetyl-galacotosamine (GalNac), N-acetylneuraminate (NeuAc)はそれぞれベータシート構造転移への役割を有していると推察されるシアル酸であるNeuAcは、他の糖に比べて分子内に多くの水酸基やカルボン酸を有しており、Abetaとの水素結合の作用点としてベータシート転移へ大きく関わっているのではないかと考えられた。本年は、この非還元末端の糖NeuAcを他の糖に置換したGM1類似型非天然糖脂質の作製を行った。galactose-N-acetylgalactosamineの水酸基をBn保護し、クリック反応を行うgalactose3位の水酸基をTBDMSで置換した2糖を調製した。同様にgalactose-glucoseの水酸基をAc保護した。これらの2糖を用いてグリコシド反応を行ったところ反応性が極めて低く収率がほとんど得られなかった。現在グリコシド反応の条件を変えて収率の向上を目指している。また、今後は合成糖鎖と脂肪酸の縮合を行い糖脂質を作製する。糖脂質を用いてラフトを作製し、Abetaとの相互作用を解析する。
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