2012 Fiscal Year Annual Research Report
超音速波動伝播を捉える革新的超高速応答型感圧塗料技術の基盤確立
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23760761
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沼田 大樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20551534)
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Keywords | 感圧塗料 / 衝撃波 / 流体計測 / 可視化 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに実施した研究によって超高速応答型感圧塗料の有力候補とした陽極酸化皮膜型感圧塗料について集中的に研究を実施し、高い時間応答性の得られる皮膜形成条件について、さらなる最適化を推し進めた。併せて、衝撃波管を用いた応答性試験装置の改良を進め、1マイクロセカンド以下の時間応答性を有する感圧塗料の応答性評価を可能とする試験法を確立した。さらに、衝撃波管で取得したデータについて、応答性を算出する際に問題となる撮像光学系の露光時間の影響を除去するデータ処理手法を考案し、その有効性を示すとともに衝撃波管を用いた応答性試験の計測精度向上を行った。 さらに、上記の計測法を用いて、感圧色素として発光寿命の短いPyrene Butyric Acid (PBA)を用いて試験結果に発光寿命の影響が現れないようにした上で、主に陽極酸化皮膜の特性を変化させることで感圧塗料の応答性改善を試みた。その結果、皮膜上の細孔径を従来の陽極酸化皮膜から大幅に拡大することに成功し、さらには比較的膜厚を薄くした条件下において、90パーセント立ち上がり時間が0.81マイクロセカンドという、従来用いられていた感圧塗料の時間応答性を大幅に上回る時間応答性を持つ感圧塗料を実現した。これは超音速波動伝播現象を捉えるのに十分なレベルの時間応答性である。 加えて、開発した超高速応答型感圧塗料の超音速波動現象解明への有効性を検証するため、衝撃波管を用いた衝撃波反射実験も行った。試験では超高速応答型感圧塗料の試験片上に円柱模型を設置して衝撃波を入射し、円柱模型からの衝撃波の反射現象の可視化を行った。結果、超高速応答型感圧塗料によって衝撃波の非定常反射現象を鮮明に捉えることに成功し、超高速応答型感圧塗料の超音速波動伝播現象に対する有効性を実証した。
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