2012 Fiscal Year Annual Research Report
物体に干渉する超音速噴流から発生する非線形空力音響波のデータマイニングによる理解
Project/Area Number |
23760773
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
野々村 拓 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (60547967)
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Keywords | データマイニング / 空力音響 / 圧縮性流体力学 / 数値流体力学 |
Research Abstract |
本研究では,様々な角度を持った斜め平板および様々な曲率を持った曲面板に衝突する超音速噴流の流体場とそこから発生する音響波のデータに対してデータマイニングを行い,流れ場および音響場の理解を試みた.超音速風洞試験に関しては,一部装置の設定に時間がかかり試験ができることを確認するに留まったが,非定常高解像度シミュレーションから得られたデータにより本研究の目標を十分に達成した.計算コードの拡張および信頼性を確認した後,流れ場および音響場データを取得,提案するデータマイニング手法を適用した.斜め平板の場合に関して,自己組織化マップとK-means法を組み合わせた手法により,音響波の分類を行った.これにより,従来の主観的な観察から得られていたマッハ波1,音響波2,マッハ波3の音響波の分類が自動的に示されることが分かった.また,固有直交分解法を周波数領域で用いることで,音響波の放射パターンが明らかになった.さらに,2点相関を多くの点に対して行い,同時に可視化する方法を用いて音の発生位置および発生メカニズムを推定した.以上の結果から,音響波2の発生原因がせん断層-衝撃波干渉であることを明らかにした.特にこれまでは音響波2は1箇所から発生していると考えられていたが,複数あるせん断層-衝撃波干渉のそれぞれから発生していることを明らかにした.さらに曲面板の解析を行い上記と同じ種類の音源に加え新たな音源が存在することを明らかにした.以上の結果をまとめ、発生する音響波の指向性,強さの特徴を掴み,ロケットフェアリング内での音響波の強さの予測のための知見につなげた.今後は本研究期間で整備した風洞試験装置を利用して,実験データに対してもデータマイニング手法を適用しさらなる知見を獲得して行きたい.
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Research Products
(7 results)