2011 Fiscal Year Research-status Report
長期間・長距離の深宇宙航行を可能とするソーラーセイルの燃料フリー姿勢制御系の開発
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23760774
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
船瀬 龍 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 月・惑星探査プログラムグループ, 開発員 (70509819)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ソーラーセイル / 姿勢制御 / 太陽光圧 / 制御工学 / 液晶デバイス |
Research Abstract |
本研究は3つの研究課題,すなわち(A)素材レベルの基礎評価試験を通じた,姿勢制御デバイス全体の超長期宇宙環境耐性評価方法の確立,(B)超長期の宇宙環境耐性を有する姿勢制御デバイスの改良・開発,(C)光の反射方向も制御可能で任意の方向の姿勢制御トルクを発生可能な新しいデバイスの開発,で構成される.本年度は(A)および(C)を中心に研究を進めた.(A)の耐環境性評価においては,液晶材料を利用した既開発の姿勢制御デバイスを構成する各材料要素のうち,耐環境性の観点でボトルネックになっている液晶ポリマー部の宇宙環境耐性評価試験(紫外線試験)を実施し,デバイスとして統合する前の素材レベルでの宇宙環境耐性についての基礎データを取得した.試験の結果,適切な紫外線カットのコーティングをデバイス表層に施すことによって,ソーラーセイルを用いた実ミッションで要求される耐環境性を満足できる可能性が確認できた.(C)については,任意の変形を有するソーラーセイル上に配置した液晶デバイスによって発生可能な姿勢制御トルクのモデルを精密化することで,計画当初は既存の液晶デバイスではソーラーセイルのスピン軸方向のトルクは発生不可能と考えていたが,既存の液晶デバイスのみを用いて3次元の任意の方向の姿勢制御トルクを発生可能であることを明らかにした.本研究で導出した精密な姿勢制御トルクモデルの妥当性は,ソーラー電力セイルの技術実証機IKAROSで液晶デバイスを用いて実施した姿勢制御実験の結果を通じて評価中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耐環境性の観点でボトルネックになっている液晶ポリマー部の宇宙環境耐性の基礎データを今年度の研究によって取得でき,実ミッションでの宇宙環境耐性要求は,次年度以降のデバイス改良で達成できる見込みが得られた.また,本研究で新たに試みている,3次元の任意の方向に姿勢制御トルクを発生可能なデバイスの開発については,既存のデバイスのみで十分に実現可能であることを今年度実施した姿勢制御トルクモデルの精密化によって明らかにできたため,引き続き次年度以降にモデルの妥当性が確認できれば本研究の目的は達成可能な見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(本研究の最終年度)は,今年度で見込みが得られたデバイスの耐環境性確保策を実際に試作・試験を通じて評価する.また,今年度に導出した精密な姿勢制御トルクモデルの妥当性を,ソーラー電力セイル実証機IKAROSを用いて実際に軌道上で行った姿勢制御実験の結果を通じて評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度はほぼ計画通りに研究費を使用し,デバイスの試作・耐環境性評価試験を実施できた.次年度も予定通り,デバイスの改良・試験・評価を中心に研究費を使用するとともに,研究成果の発表も適切に実施していく計画である.
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Research Products
(7 results)