2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760782
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
千賀 英敬 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60432522)
|
Keywords | 渦励振の軽減 / 付加物 |
Research Abstract |
海洋開発の分野において,円形断面の構造物が数多く利用されている.比較的小さな径のものでは曳航体の曳航ケーブル,また径の大きなものでは海底掘削に用いられる管や浮体式構造物の支柱などがあげられる. これらの構造物には潮流,波,また連携する構造物からの反力など,様々な外力が作用する.様々な外力の中でも,構造物から剥離する渦により生じる揚力は渦励振(Vortex Induced Vibration, VIV)と呼ばれる振動現象を引き起こす.渦励振には主運動と比較して高周波の振動成分が含まれており,長大弾性管の疲労破壊の原因となり得る.また主運動方向の抗力増加を引き起こすことも知られている. 構造物に生じる抗力や渦励振を軽減させるため,スプリッタ板や翼形状等の付加物が利用されてきた.しかしながら,使用環境によっては意図した軽減効果が得られないことや,逆に渦励振を増大させることもある.一方で,これらの付加物は,渦励振の軽減性能だけではなく,取り付けの簡便さや実作業の妨げにならない形状であることも考慮されるべきである. 数値計算を用いて,付加物の形状を容易に変更し,渦励振軽減性能の検証が可能となれば,高効率な付加物の形状設計が容易となる.本研究では,付加物を取り付けることによって円形断面構造物の挙動や周りの流場がどのように変化するかを可視化実験により計測した.また解析対象周りに格子を生成する必要のない渦法を用いて,円柱及び付加物を取り付けた円柱周りの流場の数値計算法の開発を行った.実験結果と数値計算結果を比較し,数値計算結果の妥当性を検証した.
|