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2013 Fiscal Year Research-status Report

舶用ディーゼル機関における廃食用油利用の可能性について

Research Project

Project/Area Number 23760786
Research InstitutionYuge National College of Maritime Technology

Principal Investigator

秋葉 貞洋  弓削商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60332079)

Keywords熱工学 / 舶用機関・燃料 / 代替燃料 / 排気改善
Research Abstract

平成25年度は小型機関の燃焼圧力解析を行った.実験条件は過去の実験において燃料消費率(BSFC)の低減を最小限に抑えながら窒素酸化物(NOX)とSmokeを最小限に抑えた条件である,回転数2400rpmでレシオ荷重2.87㎏とした.燃料はA重油とA重油に水を体積割合で全体の25%混合し高速ホモミキサで10分撹拌した(以降水エマ)ものを使用した.乳化剤はHLB値6のものを体積割合で2%添加した.
水エマではA重油に比べ燃焼圧力の立ち上がりがかなり遅延し,最高圧力はA重油よりやや高くなった.また,筒内圧力解析により求めた筒内温度履歴は筒内圧と同じく水エマの筒内温度の立ち上がりが大きく遅延するが,A重油と水エマの最高温度および上死点過ぎ20°(20°ATDC)以降の筒内温度履歴には大きな差が見られなかった.また,熱発生率を比較すると水エマはA重油に比べ最高値となるクランク角度は大きく遅延するが,最高値はA重油の2倍弱となった.ここで総発熱量の50%のクランク角度を定義する熱発生重心位置を解析結果より求め比較すると,A重油7°ATDCに対し水エマは7.5°ATDCとなることが分かった.
以上のことからこの小型機関では水を添加することで実際に噴射される燃料の噴射率を抑え,また水の添加により増えた噴霧の運動量や水の蒸発潜熱により着火遅れ期間が長くなり,その結果,均質な混合気が形成されることになり燃焼状態が改善されることででBSFCの増大とSmokeの生成が抑えらたと考えられる.そして,水の潜熱で筒内温度が抑えられNOXが低減するのではなく,燃焼期間が短く抑えられることでNOXの生成が抑えられたのではないかと推測される.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成25年は遅れていた小型機関の燃焼,排気性能試験,燃焼圧力解析を中心に行う計画であった.しかし,25年度前半では4.5月は所属する商船学科の要請により,弓削丸の運行支援に出る機会が多かったこと,また学級担任に当たっており,学生の指導にかなりのウエイトをを置く必要が生じたこと,25年度からセメスター制が導入されたため,商船学科の席上課程の内容を8月初旬までに終わらせる必要があり,今までとかなり違うスケジュールにより予想以上に様々なことに手をとられたことにより計画の進行が遅れていった.
後期は10月末に5成分排ガス測定装置の受け入れがあり,そのためのスペースの確保や片付け,実験に使用している小型機関の移動,移動した機関の軸心の調整作業等にかなりの時間をかけてしまった.この件に関して,10月入学の専攻科生を指導する予定の教員が急遽退職の意向を示したため,その専攻科生の特別研究指導教員となることになった.専攻科生の特別研究を指導するのは初めての経験であり,特別研究の一環として装置の移設,受け入れ作業をさせることが,専攻科生の機器等の勉強になるという考えに固執してしまったため,計画をさらに遅らせることになってしまった.

Strategy for Future Research Activity

遅れている小型機関の燃焼,排気性能測定試験を行う.平成25年度に導入された5成分(NOX,酸素,一酸化炭素,二酸化炭素,全炭化水素)排ガス測定装置とオパシメータを用いて計測した排ガス濃度と同時に計測した筒内圧を解析することで得られた燃焼特性値を比較することで燃料性状が燃焼,排気特性に与える影響について明らかにする.特に25年度のに得られた結果では燃料をエマルジョン化することで着火遅れがかなり長くなるが,燃焼状態が改善されることが筒内圧力解析結果より確認されたので,廃食用油においてもエマルジョン化することで同等の効果があるか,また別の問題点が生じないかを調べることを中心に進め,舶用ディーゼル機関における廃食用油利用の可能性について調査する.
平成25年度において計画していた舶用中速機関のトラブル対策は各方面に働きかけを行ったが,トラブルは解消されず,また平成26年度においてもトラブルを解消できる見込みが立たないため,中速機関の実験は断念する.研究課題を遂行するにあたり見通しの甘さや実験装置トラブル等により進捗状況は計画からかなり遅れている.そのため研究課題の完成のためにはこれからの研究の進捗状況により延長申請を視野に入れる.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

排ガス測定装置のガス等消耗品,予備品購入等に400,000円を予定していた.これは,排ガス分析装置購入予算が見積価格を下回っていたため装置価格を購入予算内に収めるために付属品を最小限にして,予備品,消耗品等を基金予算で購入するためであった.しかし入札終了後,排ガス測定装置購入後残予算にて予備品,消耗品等を購入することができたため使用しなかった.他の用品等については研究進度が遅れに伴い,設備備品の選定が遅れているため,また改造費,消耗品その他の費用等は計画の遅れにより実験が進んでいないため使用できなかった.
平成25年度直接経費残1,525,857円と平成26年度直接経費500,000円の合計2,025,857のうち5成分排ガス測定装置消耗品等に500,000円を予定,燃料流量計,密度計,チャージアンプ等の設備・備品費に1000,000円,燃料及び乳化剤,機関部品と消耗品等に375,875円,旅費及び論文投稿費等,印刷費に150,000円を予定している.

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Published: 2015-05-28  

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