2015 Fiscal Year Annual Research Report
舶用ディーゼル機関における廃食用油利用の可能性について
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23760786
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
秋葉 貞洋 弓削商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60332079)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 熱工学 / 舶用機関・燃料 / 代替燃料 / 排気改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は小型機関でA重油とA重油に水を質量分率で20%混合したエマルジョン燃料(以降20%エマと記述)を用いて機関性能試験と排ガス濃度の測定を行い,燃焼圧力の解析結果と比較した.回転数を1600rpm,2000rpm,2400rpmとし,レシオ荷重を3.00kgとした. A重油に対し20%エマの燃料消費率は26年度のA重油に水を質量分率で15%混合したエマルジョン燃料(以降,15%エマと記述)と同様に同程度の値となった.A重油に対して20%エマの窒素酸化物(NOX)濃度は全体的に低減する.また,15%と20%のA重油に対するNOX排出傾向と比較すると,20%エマのほうが15%に比べ全体的に排出濃度が低く抑えられている.以上のことから,エマのNOX低減効果は含水率に強く影響を受けていると考えられる. A重油に対し20%エマの全炭化水素(THC)濃度は増加した.実験年度が違うため直接比較はできないが,15%,20%エマとも1200ppm程度であることから含水率が高くなってもTHCの増加は抑えられていると考えられる.A重油に対する20%のPM排出傾向は15%エマの排出傾向と大きく異なった.これは排気管の堆積物や噴射弁の汚れが計測に影響しないように実験前の清掃を徹底したためだと考えられる.2000rpmではA重油0.05m-1に対し20%エマでは0.10m-1となる.しかし,ディーゼル自動車の黒煙濃度規制値25%に対するオパシメータのスクリーニング値は0.8m-1であり,エマはA重油よりTHC濃度が高くなることを考慮すれば,PM濃度の増加は最小限に抑えられていると考えられる. 燃焼解析結果よりA重油に対し20%エマは着火遅れが長くなるが,熱発生重心位置の遅れは抑えられ,1500℃以上の高温期間も短くなっている.
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