2012 Fiscal Year Annual Research Report
簡便かつ超高回収・高選択的なレアアース捕集ポリマーの開発
Project/Area Number |
23760798
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
永井 大介 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30375323)
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Keywords | ポリマー / レアメタル / 回収 / 固相触媒 |
Research Abstract |
前年度までに、硫黄原子を有する水溶性ポリマーが高選択的にレアメタルを回収できることを示した。一般に金属捕集ポリマーに回収された金属は、ポリマー部を燃焼することで単離される。しかしながら、燃焼という工程は高い熱エネルギーによる環境負荷や、燃焼不良による回収した金属の純度低下といった問題がある。そこで、レアメタルを捕集したポリマーのリサイクルとして、固相触媒としての応用を検討した。本ポリマーは均一系で金属イオンを担持できることから、ポリマー中での金属イオンの分散性が高く、高活性な固相触媒として期待される。 チオ尿素基とアミノ基を持つポリマーにパラジウムイオンを担持させることにより、Pdイオン担持ポリマーを調整した。このポリマーを固相触媒として、種々のハロゲン化アリールとオレフィンとのHeck反応を行った。本ポリマーの触媒活性を評価するために、触媒量と反応時間を変化させてTurnover Freguency(TOF)を求めたところ、最高のTOFは37,224であり極めて高い活性を示すことが分かった。不均一系でPdイオンを担持させたポリマーの触媒能と比較するために、本ポリマーを架橋させたものと類似の構造を持つポリマーを触媒に用いたところ、TOFは13であった。このことから、均一系でPdイオンを担持させたポリマーは不均一系で担持させたポリマーより高い活性を有することが明らかとなった。この結果を考察するために、不均一系で担持させたポリマーと均一系で担持させたポリマーのSEM観察を行った。不均一系で担持させたポリマーは表面が滑らかであったのに対し、均一系で担持させたポリマーの表面は粗く表面積が高いことが示唆された。このことから、均一系でPdイオンを担持させることにより、表面積が向上し、高活性な固相触媒として機能することが分かった。
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