2011 Fiscal Year Research-status Report
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23760802
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Research Institution | Industrial Research Institute of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
舘 秀樹 大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (60359429)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 易剥離粘着剤 |
Research Abstract |
近年、リサイクルや資源の有効利用の観点から、使用後の製品を容易に解体する解体性技術が注目を集めている。光や熱などの外部刺激により粘着力が低下する刺激応答性易解体性粘着剤は、刺激を与えない状態では一定の粘着力を有するが、刺激を与えることで粘着力が短時間で著しく低下し、容易に剥離することが可能となる。本研究では光や熱などの刺激に応答し活性種を生成する潜在性化合物と、活性種をトリガーとして分解反応を引き起こす粘着性ポリマーを組み合わせ、刺激応答性易解体性粘着剤の開発を目的とする。研究実施計画では、本年度は分解性官能基を有する主鎖分解型粘着剤の開発を中心として行うこととなっており、主に次の三点について検討を行った。(1)易剥離粘着剤の最適化及び低温分解化 (2)新規主鎖分解型ポリアセタール系粘着剤の合成と評価 (3)新規分解性モノマー(2官能型、光分解型)の合成と評価易剥離粘着剤の最適化と共に低温分解化の検討を行った。40度程度で分解する熱酸発生剤を用いて低温分解化を検討した。低温では酸発生が不安定であるため所定温度に到達するまでに易剥離が開始されることがわかった。これまでに報告例の無いポリアセタール系粘着剤の合成に成功した。この粘着剤はジビニルエーテルとジオールから構成され、弱粘着から強粘着まで強度を調製することが可能である。この粘着剤は酸を加えて加熱することで容易に易剥離可能である。今後データの蓄積を行い特許出願を目指す。さらに継続して(3)新規分解性モノマーの合成を行い、順次評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究申請書に基づき、分解性官能基を有する主鎖分解型粘着剤の開発を中心として・分解性粘着ポリマーの最適化と基本物性評価・分解性官能基を有する新規粘着剤の合成及び活性種発生のための刺激の探索とその評価の2点についてはほぼ目標を達成することができた。次年度に、更なるデータの追加、刺激応答性評価等を行い、基礎データの充実を目指す
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、目標としていた下記2点に関して、ほぼ達成することができた。・分解性粘着ポリマーの最適化と基本物性評価・新規粘着剤及び活性主発生のための刺激の探索とその評価本研究は3ヵ年の計画であるため、次年度以降、更なるデータの追加、刺激応答性評価等を行い、基礎データの充実を目指す。次年度は・潜在性化合物の合成と最適化と・刺激応答性粘着剤の刺激応答性および粘着特性評価を中心に研究を推進する。また、超音波により解体可能な粘着剤の開発を行うためのアイデアの検証も同時並行で行って行く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費については、消耗品として粘着剤合成試薬、ガラス器具、分析機器用消耗品等に使用する。研究成果について適宜、学会発表、技術調査、論文投稿等を行うために、旅費およびその他経費を計上している。
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Research Products
(1 results)