2013 Fiscal Year Research-status Report
核融合プラズマにおける境界層問題の新しい接続解法の開発
Project/Area Number |
23760805
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
古川 勝 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80360428)
|
Keywords | プラズマ・核融合 / 境界層 / 数理物理 / 特異摂動 / 波動 |
Research Abstract |
本研究課題は,磁化プラズマの抵抗性磁気流体力学的(MHD)安定性問題に対する代表的方法論の1つであった漸近接続法(境界層理論)が適用不可能または現実的に困難な状況があることを指摘し,それらの困難を除去することができる,当該研究者等が開発した新しい接続解法を更に発展させるものである.特に,(1)新しい接続解法をトロイダルプラズマに適用し,ITER(国際熱核融合実験炉) 等の超高温の核融合プラズマにおける抵抗性MHDモード安定性解析を正確に行えるようにすること,(2)抵抗性MHD不安定性等による磁気島成長と飽和,およびプラズマ回転や外的不整磁場との相互作用に関する弱く非線形な現象を扱えるように拡張することを目的としている.平成23,24年度は,当該研究者等が開発した新しい方法論の利点が生かされる状況の1つとして,有限Larmor半径効果を含めたモデルへの拡張を行い,研究成果を査読付論文として国際的な論文誌に発表し,また学会等で成果発表を行った.また,トロイダルプラズマへの適用の定式化を一部進めた.さらに,弱く非線形な現象に適用するための例題として,流体力学における境界層について調査した. 平成25年度は,これまでの研究成果を踏まえて進展させるべき事項として,主に以下の3点を研究した.まず,接続解法で用いる外部解は理想MHDモデルの定常解であり,非正準Hamilton力学系の理論を利用して定常解を求める方法を新たに開発した.また,実際にシミュレーションを行って有効性を示した.次に,内部解では抵抗性MHDモデルの固有値問題の数値計算が必要であり,プラズマ回転がある場合に生じる非物理的な不安定性の特性について研究した.これらに関しては学会・研究会等で成果発表を行った.さらに,流体力学における境界層・臨界層問題について,平行流の安定性に関する固有値問題の数値解の精度について研究した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トロイダル配位および弱く非線形な場合への拡張は,準備は進んでいるが具体的な成果が出るところまでは進んでいない.一方,本研究課題を進める中で関連して重要と認識した事項について,論文・学会発表を多数行うなど,研究が進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
トロイダル配位および弱く非線形な場合への拡張については,これまでの準備を踏まえて今後も継続して研究を進める.また,関連して進んだ研究についても,更なる成果が出るよう研究を進める.特に,非正準Hamilton系を利用したMHD定常解のシミュレーションについては,学術的にも大変重要と考えられるので,重点的に進める予定である.また流体力学における境界層・臨界層問題にも継続して取り組む予定である.
|
Research Products
(16 results)