2011 Fiscal Year Research-status Report
核燃焼プラズマのための新古典輸送シミュレーションの拡張と検証
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23760810
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐竹 真介 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70390630)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 新古典輸送 / 新古典粘性 / 核融合炉 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
今年度の主な成果としては、新古典粘性計算コードFORTEC-3Dのベンチマークと実験解析への応用が大きく進展したことが挙げられる。軸対称トカマクに非軸対称摂動磁場がかけられた場合のトロイダル粘性と、ヘリカル配位におけるポロイダル粘性計算の2ケースについて研究を進めており、今年度は径電場によるExB回転依存性について検証を進めた。トカマクにおいては、径電場の値がradial force balanceを満たす値(この時トロイダル粘性はゼロになる)から数倍程度までは従来の解析式とよく一致する一方、より大きな径電場においては解析解と定性的・定量的に違いが生じることを発見した。ヘリカル系においては、LHDにおけるバイアス電極を使ったExB回転駆動実験のデータを使い、実験解析を行った。バイアス電圧によるExB回転のポロイダルマッハ数が約1でポロイダル粘性がピークを持ち、かつその粘性の値がバイアス電流によるJxBトルクとほぼ釣り合うことが示された。これによって、バイアス電圧を上げた時に起きるバイアス電流値の遷移や、それと同時に観測されるプラズマ閉じ込め性能の改善が、新古典ポロイダル粘性の非線形性によって起こるという理論予測をシミュレーションで再現できた。特に、遷移が起こるポロイダルマッハ数が約1になるという結果は、従来の解析解では再現できなかったことであり、本研究で開発してきたコードの定量的な正確さを証明した。この他、将来の核融合炉における新古典輸送の予測研究として、核融合科学研究所で進められているヘリカル型原型炉FFHR-d1の設計活動に協力した。FFHRで想定される高βプラズマでは、シャフラノフシフトによる閉じ込め配位の変化が、新古典輸送を真空磁場で計算した場合の数倍に大きくしてしまうことを示し、垂直磁場コイルによるシャフラノフシフト制御が必須になることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新古典粘性の計算については実験解析への応用など、研究が順調に進んでいる。核燃焼プラズマの解析に向けた研究に関してはヘリカル炉FFHR設計に関する解析を行い、高βプラズマにおけるシャフラノフシフトが新古典輸送を増大させてしまうことを示したが、D-Tプラズマの新古典輸送計算に向けた多イオン種プラズマへの拡張に関しては目標通りに進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている多イオン種プラズマへのコードの拡張を進めるために、クーロン衝突項の開発を精力的に進める。新古典粘性のシミュレーション研究は順調に進んでおり、今年度はスペインCIEMAT研究所のTJ-IIプラズマ閉じ込め装置における実験解析への応用に向けた共同研究も進める予定である。また、今年度から六ヶ所村にできたIFERC-CSCスパコンの利用が可能になったので、コードをそちらに移植してシミュレーション研究のより一層の促進を目指す。日本原子力研究開発機構の研究者と協力して、新古典トロイダル粘性計算のJT-60SA装置への適用を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シミュレーション研究の進展とともに扱うデータ量が膨大になり、またIFERC-CSCスパコンへとの計算データのやり取りなども必要となるため、ネットワーク接続型ハードディスクを購入する。研究成果を学会等で発表するため、国内学会2回(プラズマ・核融合学会、日本物理学会)および国際学会(第24回IAEA核融合エネルギー会議、米国)に参加する。その旅費及び参加費を研究費から支出する。
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Research Products
(7 results)