2013 Fiscal Year Annual Research Report
先進的ナノ加工技術を用いたMixed-material堆積層の構造特性評価
Project/Area Number |
23760811
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
時谷 政行 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30455208)
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Keywords | Mixed-material / 再堆積層 / ナノ加工 / 微細構造観察 / 電子顕微鏡 / イオンビーム分析 / スパッタリング損耗 / ナノ機械的特性評価 |
Research Abstract |
集束イオンビーム加工(FIB)による高精度ナノ加工技術と微細構造解析を併用し,大型ヘリカル装置(LHD:核融合科学研究所)のプラズマ対向材料表面に形成される金属/炭素/ガス元素の混合組成の堆積層(Mixed-mateirial)のナノ構造と機械的特性およびプラズマ粒子補足特性を,トーラス壁全体にわたって明らかにすることが本研究の目的である. 平成24年度までの研究で,トーラス外壁に一周(10ヶ所)設置した試料(SUS, Siなど)の大部分において,TEMによる微細構造解析およびラザフォード後方散乱法(RBS)と弾性反跳粒子検出法(ERD)の同時測定によるイオンビーム分析を実施した.結果より,LHDの第一壁材料には,照射欠陥やMixed-material堆積層がトーラス壁全体にわたって不均一に形成されることが明らかになった. 平成25年度は,平成24年度までに分析ができていなかった残りの場所の分析を行った.その結果,トーラス全体にわたって不均一な照射欠陥やMixed-material堆積層の分布が精度良く裏付けられた.さらに,Mixed-mateirial堆積層のナノ機械的特性を明らかにすることを目的として,当初の予定では,ナノ引っ張り試験を実施する予定であったが,材料が脆く冶具への固定が困難であったため,ナノ圧縮破壊試験による破壊応力評価,超微小押し込み硬さ試験によるナノ領域での硬さ試験評価を実施した.結果より,炭素を多く含むMixed-material堆積層はFeを多く含む堆積層よりも硬く脆い構造であることが明らかになった.プラズマ対向材料に炭素材料を使用しているかぎり,脆い構造のMixed-mateirial堆積層が形成される可能性が高いことが示唆される.
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