2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760816
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
小林 政弘 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30399307)
|
Keywords | 不純物輸送 / ストキャスティック磁場 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
平成24年度は既存の真空紫外分光器による鉄からの発光計測と、3次元数値シミュレーションとの比較を行い、ストキャスティック磁場による鉄不純物(高Z不純物)の遮蔽効果を調べた。プラズマ閉じ込め領域への外部からの不純物流入という観点から、閉じ込め領域と周辺プラズマとの境界付近に位置すると考えられる鉄の15+イオンについて着目した。磁気面に沿ってプラズマパラメータが一定であると仮定してアーベル変換を行い、実験で得られた発光量から鉄15+イオンの密度を評価した。その結果、背景プラズマの密度上昇に伴い、鉄15+イオンの密度が減少することがわかった。数値シミュレーションとの比較により、その密度依存性が従来のモデルで比較的良く再現されることがわかった。但し、今回の計測では、鉄の発生量の同定に至らなかったため、その定量評価は今後の研究課題として残されている。また、実験データとシミュレーションの比較において、実験で得られた温度分布がシミュレーションによってうまく再現できない領域があることがわかった。その理由の一つとして、磁力線を横切る方向の輸送係数が空間的に変化していることが考えられる。既存のシミュレーションコードではこの輸送係数は全計算領域で一定となっている。これを解決するために、空間的に変化する輸送係数を取り扱えるように計算コードの改良を行った。今後は、改良された計算コードを用いて、さらに精密な議論を行っていく予定である。 また、ストキャスティック磁場領域における不純物遮蔽効果について、磁場構造の違いに着目してそのメカニズムを考察するために、磁力線構造が大きく違うトカマク装置との比較を行った。その結果、遮蔽効果はストキャスティック磁場領域で半径方向の輸送が促進されることにより、背景プラズマの外向きの流れと不純物の間の摩擦力が有効に働き、結果として遮蔽効果が効果的現れることが明らかになった。
|
Research Products
(5 results)