2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760833
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
藤田 博喜 独立行政法人日本原子力研究開発機構, バックエンド研究開発部門核燃料サイクル工学研究所放射線管理部, 研究員 (20446446)
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Keywords | パルス光励起蛍光 / 線量 / 石英 / 表土 |
Research Abstract |
平成25年度は研究計画に従って、①パルス光励起蛍光(OSL)測定法による検出下限値の評価、②実フィールド試験を行った。 ①については、平成23年度に採取した表土に光照射を行い、天然放射性物質や他の放射線照射の影響を消去したものに、パルスOSL測定法を適用し、その検出下限値を算出した。その結果、試料には依存するが、0.3Gy~1Gyの線量を検知できることが分かった。この検出下限値は、当初の目標であった0.1Gyよりは高いものである。 ②については、γフィールドでの照射から京都大学原子炉実験所のγ線源に計画を変更し、表土に一定線量を照射し、簡単な化学操作を行った後に、パルスOSL測定法を適用し、その線量測定を行った。結果としては、4種類の表土で、照射した線量値と一致した線量値を得ることができた。 研究期間全体を通じて、パルスOSL装置の開発を行い、その性能試験を実施した。また、γ線源を利用しての適用試験を行った。これにより、当初予定していた検出下限値よりは高かったが、パルス線量測定法を開発することができた。なお、表土から石英を物理的に抽出する必要のない方法の開発を目指していたが、石英の含有量が少ないために、簡単な化学操作は必要となった。しかし、これまでの石英抽出では3日間程度を必要としていたが、今回の化学操作は数時間で完了することができるものであり、その迅速性を増すことができた。以上のことから、適用範囲は限定されるが、線量測定装置が未設置の場所においても、どこにでも存在する砂利や石材をそのまま利用することで、迅速に放射線被ばく線量を測定できる手法を確立することができた。
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Research Products
(2 results)