2011 Fiscal Year Research-status Report
テラヘルツ分光を用いたガスハイドレート研究手段の確立
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23760846
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹家 啓 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70515874)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | テラヘルツ技術 / ガスハイドレート / 光学定数 / エネルギー学 / 非平衡状態 |
Research Abstract |
本研究では、ガスハイドレートに対する新たな知見を得るために、テラヘルツ時間領域分光法を用いた新規測定手段の確立を目指す。メタンハイドレートによく知られるガスハイドレートは次世代のエネルギー資源、輸送形態として研究が盛んに行われている。ガスハイドレートは密度や構造が氷と似ていることから、従来の観測手段では氷点下における非破壊での識別や、非平衡状態での観測に困難さが伴う。本研究では、テラヘルツ時間領域分光法による観測でハイドレートと氷の定量的、定性的な識別が可能であることを示すとともに、複素光学定数、誘電定数を算出することで、ハイドレート基礎研究における新たな観測手段として確立する。また、高い時間分解能を有することから、動的なプロセス、例えば分解や生成における観測を行い、リアルタイムでの評価の実現を目指す。平成23年度は低温での試料交換が可能な光学用冷凍機を組み込んだテラヘルツ光学系を構築した。本システムのパフォーマンスは確認しており、今後、様々なガスハイドレートに対して測定を行い、複素誘電率、光学特性などの基本データを取得したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者の所属変更などがあり、必要品の発注が遅くなったことなどから、測定システムの完了に時間がかかったが、全体を通したスケジュールを見ると概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
低温測定のためのシステムは完了しているため、様々なサンプルを用いて基礎データを取得し、非平衡状態におけるガスハイドレートの相変化挙動を解析したい。平衡温度以上におかれたガスハイドレートが氷へと分解する挙動は、テラヘルツ時間領域波形の位相と振幅に直接反映されるためリアルタイムでの観測を行う。またTHz帯での誘電率は水素結合状態に関連するため基礎物性の観点からもこの相変化研究を行える基盤を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本申請では、低温測定を可能にする冷凍機の購入を主としている。次年度においては、研究を遂行するに際して必要となる光学部品消耗品の購入および成果発表のために必要な学会参加費、旅費と論文投稿費の使用を予定している。
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Research Products
(6 results)