2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントによる家庭内エネルギー消費の再現と太陽エネルギー利用影響の分析
Project/Area Number |
23760848
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大藏 将史 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90453810)
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Keywords | マルチエージェント / 太陽光発電 / 蓄電池 / 躯体蓄熱 |
Research Abstract |
データに基づいて時刻ごとに居住者が行動を決定し,さらにそれに伴うエネルギー消費を算出するモデルを構築し,さらに太陽光発電が事業者からの電力供給量の削減効果に与える影響および家庭から生じる太陽光発電の余剰発電量を検討した. 居住者の行動については他の居住者の行動が与える影響を考慮し,居住者を主と従に区分し,食事など,家族が同時に行うと考えられる行動については主たる居住者の行動に伴い開始するよう,他の居住者の行為が反映されるものとした.さらに,空調負荷の算出においては日射や人体からの発熱などの時間で決定される条件の他,時々刻々変化する室内の空気温度,建物の躯体の温度に基づいて空調負荷を算出することにより,建物の構造を反映可能とした.これにより,居住者の行動および建物の影響を考慮した家庭におけるエネルギー消費を再現可能となった. 上記モデルにおいて推計された家庭のエネルギー消費に対し,男性勤め人,主婦,中学生で構成される3人家族1000世帯に対して夏期におけるエネルギー消費量および太陽光発電および蓄電池の導入効果を検討した.エネルギー消費量は0時から6時においてはほぼすべての居住者が睡眠の行動をとるために差は生じない.一方で,特に12時から18時においてはエネルギー消費量の分布が大きくなった.これは夏期においては空調におけるエネルギー消費が大きく,居住者の在宅,非在宅が大きく影響したためである.また,太陽光発電は日中において家庭におけるほぼすべての電力消費をまかなうことが可能となるものの,居住者の行動に関係なく,一定量の余剰量が発生することも分かった.さらに,蓄電池の導入により太陽光発電余剰量は減少するものの,蓄電池容量が小さい場合,日中において発電余剰量は削減できないことが分かった.
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Research Products
(4 results)