2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23770005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 拓哉 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教 (00452201)
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Keywords | 生物時計 / 緑藻 / ROC |
Research Abstract |
クラミドモナスは極めて単純な単細胞性の緑藻で、分子遺伝学・細胞生物学・生化学的な実験手法が適用できる生物であり、とりわけ光合成や鞭毛の研究で強力なモデル系として用いられている。我々は、これまでに行った一連の研究(Matsuo et al., Genes Dev, 2008, 22:918-30; Matsuo et al., Mol Cell Biol, 2006, 26:863-70)で、クラミドモナスの時計遺伝子群を網羅的に同定し、クラミドモナスを生物時計研究の新たな、そして最も単純な真核生物モデルとして確立することに成功した(Reviewed by Breton and Kay, Genome Biol, 2006, 7:215; Reviewed by Brunner and Merrow, Genes Dev, 2008, 22:825-831; 松尾,石浦,蛋白質核酸酵素, 2008, 53:1873-80)。本研究では、分子遺伝学・細胞生物学・生化学的手法を用いてクラミドモナスの時計遺伝子・時計タンパク質の解析をさらに進め、真核生物の生物時計機構の解明と、植物界の生物時計の進化に関する新たな知見を得ることを目的とする。本年度は以下の点を明らかにした。 1)DNA結合モチーフを持つROC15、ROC40、ROC66、ROC75は細胞核に局在し、DNAに結合することを明らかにした 2)ロイシンリッチリピートを持つROC55(188kDa)は、他の時計遺伝子に対して遺伝学的に上位であることを明らかにした。 3)クラミドモナス細胞に光を照射するとROC15は急速に減少することを明らかにした。また、これはユビキチン・プロテアソーム系によるタンパク質分解によるもので、F-boxタンパク質であるROC114が関わっていることを明らかにした。
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