2013 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン形成制御可能な次世代HACによる、セントロメア形成機構の解明
Project/Area Number |
23770011
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
中野 めぐみ 公益財団法人かずさDNA研究所, ヒトゲノム研究部, 研究員 (50542825)
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Keywords | セントロメア / ヒト人工染色体 / クロマチン |
Research Abstract |
ヒトセントロメア領域の反復配列 (アルフォイドDNA)を培養細胞へ導入すると、安定に分配・維持されるヒト人工染色体 (HAC)が形成される。HACの解析から、アルフォイドDNA上にはセントロメア特異的ヒストン (CENP-A)から構成されるセントロメアクロマチンが形成されてキネトコアの形成を担う一方で、ヘテロクロマチンが形成されて姉妹染色分体の接着に関わっていることが明らかになった。しかし性質の相反するクロマチンが同じDNA配列上に形成される機構は不明である。 申請者らはこれまで、tetO配列を導入したアルフォイドからなるHACにtetR融合タンパクをテザリングし、HAC上のクロマチンを一種類に偏らせたり、任意のクロマチン形成を誘導することに成功してきた。本研究では、2種類のクロマチン形成を個別に誘導し、セントロメア機能への影響を解析するために、tetOまたはlacOを導入した改変型アルフォイドDNAを作成した。171bpの反復単位の一部にtetO/lacO配列を導入したアルフォイドDNAを作成し、tetR/lacIと各種クロマチン構造変換因子の融合タンパク質をテザリングする系を構築した。さらに各クロマチン新規形成に重要なCENP-Bと各種クロマチン構造変換因子との関係を解析するため、CENP-B結合配列の変異型DNAも作成した。また、各種クロマチン構造変換因子のtetR、lacI融合タンパク質発現ベクター構築を進めた。中間産物である約15kb (88コピー)のtetO/lacOアルフォイドDNAを、CENP-Aのリクルート因子であるHJURPのtetR/lacI融合タンパク質発現細胞に導入し、テザリング依存的CENP-A集合でこの系が働くことを確認した。 以上が前年度までの経過で、最終年度も引き続き改変型アルフォイドの伸長を進めたが、十分な長さに達せず、機能解析に至らなかった。研究代表者は最終年度終了時に退職したが、本研究テーマは所属研究室で引き継がれた。
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