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2013 Fiscal Year Annual Research Report

個体群動態、遺伝的構造、生活史変異を考慮した個体群ユニットの検討

Research Project

Project/Area Number 23770013
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

小泉 逸郎  北海道大学, 創成研究機構, 特任助教 (50572799)

Keywords個体群動態 / 個体群ユニット / 進化的に重要な単位(ESU) / 同調性 / 遺伝的構造 / 生活史形質 / 地理的変異 / サケ科魚類
Research Abstract

本研究では、サケ科魚類の大規模長期データを用いて、個体群動態、遺伝的構造、生活史変異を考慮した個体群ユニットの検討を行った。個体群という実態把握の難しい概念を、個体数変動の同調性、遺伝的組成の均一性、生活史変異の一致性、という異なる視点から検討した。
今年度は、我々が15年間にわたり収集してきた河川性オショロコマのデータを解析した。18河川において個体数変動の同調性を調べたところ、同調性の程度にはバラつきが大きく、相互相関係数が0.8を超えるものもあれば負の値を示すものもあった。20-30㎞の広域スケールで解析したところ、同調性と個体数変動の間には有意な相関は認められなかった。一方、クラスター解析では中流域でまとまったグループが形成された。マイクロサテライトDNA解析により10年間での時空間変異を調べたところ、大部分の河川で時間的に安定しており、5-10㎞の地理スケールで空間的な分化が認められた。クラスター解析を行ったところ、上流域、中流域、下流域の3グループが認められた。中流域のグル―プは個体数変動の解析と概ね一致した。最後に生活史形質の違いを調べたところ、繁殖時期において上流から下流への緩やかなクラインが認められた。一方、卵数、卵サイズ、孵化までの時間なども河川間で大きな変異が認められたが地理的な傾向は認められなかった。
以上から、異なる指標でも同様の個体群ユニットが示唆されることもあったが、大部分は異なっていた。本研究は、ひとくちに個体群といっても着目する対象によってスケールや構造などが大きく異なることを示しており、目的にあった指標を用いることの重要性を提示している。一方、個体群動態、遺伝的構造、および生活史形質の変異の関係性を知ることは非常に興味深く、今後の課題である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Book (1 results)

  • [Book] 系統地理学:DNAで解き明かす生ものの自然史2013

    • Author(s)
      池田啓・小泉逸郎(責任編者)
    • Total Pages
      314 (7-32、35-60)
    • Publisher
      文一総合出版社

URL: 

Published: 2015-05-28  

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