2011 Fiscal Year Research-status Report
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23770015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 亮 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (90418781)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 多様性 / 生産性 / 生態系機能 / 植生遷移 |
Research Abstract |
【研究の目的】生物多様性の役割を説明する「多様性・生産性仮説」は、植物の種多様性が高いほどその場所の生産性(1年に生産されるバイオマス)が高くなると予測する。この仮説は、生態学において最も検証されてきた仮説の一つだが、大きな矛盾に直面している。それは、種数を制御した人工草本群落においては支持されるが、自然植物群落ではほとんど支持されていない点である。本研究は、この矛盾の原因は遷移段階の違いにあると予測し、植生遷移に伴う多様性・生産性関係の変化を検証する。そのために、遷移の速度を変える4種類の実験処理区を設けて、処理区間での植物の種間相互作用と多様性・生産性関係を分析する。【平成23年度研究実績】草原内に上記4つの処理区((1)裸地化+毎年掘り起こし、(2)裸地化+毎年刈り取り、(3)裸地化+放棄、(4)掘り起こしなしで毎年刈り取り)を設置し、各処理区1 m2方形区(40個)を配置した。7月、8月に各方形区内の0.1m2範囲で植物の地上部を刈り取り、植物地上部を種ごとに乾燥重量を測定した。また環境条件測定のため土壌を採取し、光環境を測定した。また、処理区(1),(2),(3)では、非破壊的な植生調査も行った(各処理区16方形区)。結果、予測通り遷移初期状態の処理区(1)では、多様性と生産性に正の相関がみられ、遷移後期の処理区では負または無相関であった。一方、遷移進行する処理区(2),(3)ではその中間的なパターンを示した。次年度以降も同様の調査を続け、遷移進行区での変化を追跡する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で示したように、計画に沿った調査を進め予測通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、平成23年度と同じ調査を継続する。植物の採集は、一度採集を行った方形区は用いず、毎年新しい方形区で調査を行う。非破壊方形区は3年間共通して用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は物品費約31万円、謝金等約72万円、計約104万円を使用した。次年度は、昨年度からの繰越255,827円に本年度80万円を加えた計約105万円の直接経費を計画している。その内訳は、ほぼ昨年と同様の費目別執行を行う予定にあり、物品費約15万円、謝金等約80万円、学会発表等のための旅費約10万円への支出を予定している。
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