2012 Fiscal Year Research-status Report
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23770015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 亮 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (90418781)
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Keywords | 多様性 / 生産性 / 生態系機能 / 植生遷移 |
Research Abstract |
【研究の目的】 生物多様性の役割を説明する「多様性・生産性仮説」は、植物の種多様性が高いほどその場所の生産性(1年に生産されるバイオマス)が高くなると予測する。この仮説は、生態学において最も検証されてきた仮説の一つだが、大きな矛盾に直面している。それは、種数を制御した人工草本群落においては支持されるが、自然植物群落ではほとんど支持されていない点である。 本研究は、この矛盾の原因は遷移段階の違いにあると予測し、植生遷移に伴う多様性・生産性関係の変化を検証する。そのために、遷移の速度を変える4種類の実験処理区を設けて、処理区間での植物の種間相互作用と多様性・生産性関係を分析する。 【平成24年度研究実績】 H23年度に設置した4つの処理区(①裸地化+毎年掘り起こし、②裸地化+毎年刈り取り、③裸地化+放棄、④掘り起こしなしで毎年刈り取り)を継続利用した。各処理区に1 m2方形区(40個)を新規配置した。7月、8月に各方形区内の0.1m2範囲で植物の地上部を刈り取り、植物地上部を種ごとに乾燥重量を測定した。また環境条件測定のため土壌を採取し、光環境を測定した。また、処理区①,②,③では、非破壊的な植生調査も行った(各処理区16方形区)。結果、予測通り遷移初期状態の処理区①では、多様性と生産性に正の相関がみられ、遷移後期の処理区では負または無相関であった。一方、遷移進行する処理区②,③ではその中間的なパターンを示した。次年度以降も同様の調査を続け、遷移進行区での変化を追跡する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で示したように、計画に沿った調査を進め予測通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、平成24年度と同じ調査を継続する。植物の採集は、一度採集を行った方形区は用いず、毎年新しい方形区で調査を行う。非破壊方形区は3年間共通して用いる。また、得られたデータを論文にまとめ順次発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額20077円は、最終年度の予算と合わせて人件費と物品費として全額執行する予定にある。
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