2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23770015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 亮 筑波大学, 生命環境系, 助教 (90418781)
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Keywords | 多様性 / 生産性 / 生態系機能 / 植生遷移 / 土壌撹乱 / 温暖化 |
Research Abstract |
【研究の目的】 生物多様性の役割を説明する「多様性・生産性仮説」は、植物の種多様性が高いほどその場所の生産性(1年に生産されるバイオマス)が高くなると予測する。この仮説は、生態学において最も検証されてきた仮説の一つだが、大きな矛盾に直面している。それは、種数を制御した人工草本群落においては支持されるかが、自然植物群落ではほとんど支持されていない点である。 本研究は、この矛盾の原因は遷移段階の違いにあると予測し、植生遷移に伴う多様性・生産性関係の変化を検証する。そのために、遷移の速度を変える4種類の実験処理区を設けて、処理区間での植物の種間相互作用と多様性・生産性関係を分析する。 【平成25年度研究実績】 H23年度に設置した4つの処理区(1裸地化+毎年掘り起こし、2裸地化+毎年刈り取り、3裸地化+放棄、4掘り起こしなしで毎年刈り取り)を継続利用した。各処理区に1 m2方形区(40個)を配置した。7月、8月に各方形区内の0.1m2範囲で植物の地上部を刈り取り、植物地上部を種ごとに乾燥重量を測定した。また、処理区1,2,3では、非破壊的な植生調査も行った(各処理区16方形区)。結果、予測通り遷移初期状態の処理区1では、多様性と生産性に正の相関がみられ、遷移後期の処理区では負または無相関であった。一方、遷移進行する処理区2,3ではその中間的なパターンを示した。 本研究の発展課題として、地球温暖化によって多様性生産性関係がどの様に変化するかを、野外温暖化装置を用いた実験で検証を始めた。現在これらの成果を、論文にまとめている。
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[Journal Article] Naemacyclus culmigenus, a newly reported potential pathogen to Miscanthus sinensis, new to Japan.2013
Author(s)
Hosoya, T., Hosaka, K., Saito, Y., Degawa,Y., & Suzuki, R.
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Journal Title
Mycoscience
Volume: 54
Pages: 433-437.
Peer Reviewed
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