2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物オルガネラ間相互作用におけるミトコンドリア・ダイナミクスの役割の解明
Project/Area Number |
23770043
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山岡 尚平 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00378770)
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Keywords | ミトコンドリア / オルガネラ間相互作用 / Miro / ライブ・イメージング / ペルオキシソーム / ビオチン |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでミトコンドリア・ダイナミクスの主要制御因子であるMIRO1の欠失もしくは過剰発現によってミトコンドリアの細胞内局在が大きく変化することを明らかにした。本課題ではこれを利用して、MIRO1の発現量を人為的に操作できる形質転換植物を作出し、ミトコンドリア・ダイナミクスのオルガネラ間相互作用における役割を明らかにすることを試みる。 本年度の成果として、ミトコンドリアの細胞内分布を自在に操作できる形質転換植物の作出を試み、以下の2種類の植物を得た。1)MIRO1を誘導的に過剰発現させることのできる植物を作出した。エストロゲン誘導性過剰発現ベクターの下流にMIRO1 cDNAをつないだコンストラクトを作成し、ミトコンドリア局在型蛍光タンパク質を発現している植物に導入し、複数のラインを得た。これらの植物ではいずれも、エストロゲン投与数時間後にMIRO1タンパク質を過剰に蓄積し、ミトコンドリアの形態および細胞内分布が変化することを確認した。2)MIRO1遺伝子の発現を抑制した植物を作出した。恒常的過剰発現プロモーターの下流にMIRO1の人工マイクロRNA (amiRNA)をつないだコンストラクトを作成し、ミトコンドリア局在型蛍光タンパク質を発現している植物に導入し、複数のラインを得た。これらの植物はT1形質転換体でその大半が枯死したが、一部は生存可能であった。生存可能なラインでは、ミトコンドリアの形態の変化とともに、植物体の矮小化などが観察された。
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Research Products
(4 results)