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2011 Fiscal Year Research-status Report

SUMOによる細胞周期制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 23770053
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

石田 喬志  独立行政法人理化学研究所, 細胞機能研究ユニット, 基礎科学特別研究員 (00462656)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords細胞周期 / SUMO / 翻訳後修飾 / 核内倍加
Research Abstract

細胞周期の正常な進行はすべての生物にとって必須な機能であり、高度な制御機構が存在していることが知られる。本研究では植物細胞の細胞周期制御に、真核生物に保存された翻訳後修飾機構の一つであるSUMOが関与している可能性が示されたことを背景に、その詳細なターゲットの探索や生化学的な役割の解析を行うことを目的としている。本年度の研究において、複数の細胞周期制御因子を対象に部分配列のクローニングと大腸菌の組み換えタンパク質発現系の構築を行った。さらに、この実験系とsemi-in vitro SUMOアッセイシステムとを組み合わせてSUMO化の有無とその詳細なサイトの同定を完了した。少なくとも実験に用いたタンパク質群は1つ以上のSUMO化サイトを持っていることを明らかとした。特に推定上のSUMO化サイトが進化的に保存されている分子に関してはほとんどの分子でSUMO化が起こることを確認している。また、in vivoにおけるSUMO化とその意義を検証するためのコンストラクションを行った。近年になってGFP抗体を用いた高純度かつ高効率に植物体からタグ融合タンパク質を精製する技術が確立されたため、本研究でもこの方法を応用することとした。また、系統確立後にスムーズに実験を行えるよう同手法のトレーニングを受け習得した。一部の基質候補タンパク質に関しては、シロイヌナズナの変異体コレクション中に欠失変異体を確認できなかった。そのため、amiRNAによるノックダウン系統の作出を試みた。系統確立後はamiRNA非感受性の変異型コンストラクトを作成し、SUMOサイトの有無によってタンパク自身の機能に影響があるかどうかを、相補が可能であるかどうかという基準で検討する計画である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画案であった質量分析装置を用いた手法によるSUMO化サイトの確定は行えなかった。これは組み換えタンパク質の発現効率が不十分であったためである。しかし、これは異種生物由来のタンパク質でよく見られる現象である。本研究ではその代わりに基質タンパク質の部分断片を用いた実験とインフォマティクスとの組み合わせにより遅延なくSUMO化サイトを確定することに成功した。in vivoにおけるSUMO化検証のためのコンストラクションや実験手法の習熟に努めたため、系統確立後にはすぐにでも実験に移れる状態を作ることができている。この点は当初の計画よりも多少遅れているが、これはタンパク質精製のためのタグ融合コンストラクトを植物体に導入した際に原因不明の形態異常を引き起こしたため、作り直しを余儀なくされたことによる。しかし、再設計したものに関してはおおよそ順調に育っているため、次年度の早いうちに実験を行えるものと考えている。一方で、次年度計画にあるSUMO化サイト欠失変異導入の実験を前倒しして開始した。本研究で対象となるタンパク質に関して、その遺伝子にT-DNAが挿入された欠失変異体の探索を行った。ほとんどの遺伝子に関しては変異体コレクション中からT-DNA挿入株が得られたが、一部の遺伝子に関しては変異体が存在しなかったためノックダウン株を作出することで機能性試験に用いる系統を入手することに成功している。以上のことから、個別の実験に関して想定以上の成果を得られたものと予定よりもやや遅れているものが存在するものの、おおむね計画したものと近い進度であると考えている。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定通り次年度は当初の計画通り、SUMO化修飾の意義を検証するため、変異導入コンストラクトを用いた相補性の実験を行う。すでにいくつかの形質転換系統の作成には取り掛かっている。また、年度の早いうちに昨年行えなかったin vivoにおけるSUMO化の検証実験を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度より研究を実施する機関を変更した。移動のため昨年度に遂行できなかった実験があり当初よりも使用額が低く抑えられている。24年度には本研究に特化した実験機器の購入や実験補助者の雇用などを行いたいと考えている。そのため多少の用途変更はありうるが、通常の実験に必要な機材、消耗品は計画の範囲内で進めることができると考えている。

  • Research Products

    (7 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Arabidopsis lonely guy (LOG) multiple mutants reveal a central role of the LOG-dependent pathway in cytokinin activation.2012

    • Author(s)
      Tokunaga H, Kojima M, Kuroha T, Ishida T, Sugimoto K, Kiba T and Sakakibara H.
    • Journal Title

      Plant J.

      Volume: 69 Pages: 355-365

    • DOI

      10.1111/j.1365-313X.2011.04795.x

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 核内倍加と細胞成長を規定する発生制御2011

    • Author(s)
      石田喬志、クリスチャンブラウアー、杉本慶子
    • Journal Title

      化学と生物

      Volume: 49

  • [Presentation] 細胞分裂周期から核内倍加周期への移行 制御メカニズムの解析2012

    • Author(s)
      小牧伸一郎,石田喬志,Nicola Stacey,杉 本慶子
    • Organizer
      第53回日本植物生理学会年会 (2012年・京都) (2012年3月16~18日)
    • Place of Presentation
      京都産業大学
    • Year and Date
      2012年3月17日
  • [Presentation] 細胞の形態形成を担う分子メカニズムの解析2011

    • Author(s)
      石田喬志
    • Organizer
      平成23年度日本植物学会
    • Place of Presentation
      東京大学
    • Year and Date
      2011年9月17日
  • [Presentation] fugu2/fas1の補償作用はDNA損傷応答によって誘導される2011

    • Author(s)
      久永哲也、Ferjani Ali、堀口吾朗、石田喬志、杉本慶子、塚谷裕一
    • Organizer
      平成23年度日本植物学会
    • Place of Presentation
      東京大学
    • Year and Date
      2011年9月17日
  • [Presentation] 発生分化過程におけるオーロラキナーゼの動態解析2011

    • Author(s)
      松永幸大*、栗原大輔、大村知広、石田喬志、北原英里奈、浅田拓也、万代文子、松永朋子、杉本慶子、福井希一
    • Organizer
      平成23年度日本植物学会
    • Place of Presentation
      東京大学
    • Year and Date
      2011年9月17日
  • [Presentation] シロイヌナズナのオーロラキナーゼのイメージング解析2011

    • Author(s)
      北原英里奈、松永朋子、小牧伸一郎、石田喬志、杉本慶子、松永幸大
    • Organizer
      日本植物形態学会第23回総会
    • Place of Presentation
      日本女子大学
    • Year and Date
      2011年9月16日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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