2011 Fiscal Year Research-status Report
どのようなシグナル変換・伝達過程を経て植物は重力に対抗できる体を構築しているのか
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23770065
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
曽我 康一 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00336760)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 抗重力反応 / 過重力 / シロイヌナズナ / 成長 / 細胞壁強度 |
Research Abstract |
植物が重力に対抗できる体を構築する「抗重力反応」におけるシグナル変換・伝達のメカニズムの解明をめざし、シロイヌナズナにおいて突然変異体と重力応答遺伝子の探索を行っている。突然変異体の探索に関しては、米国SALK研究所のT-DNAタグライン(T-DNA挿入ホモライン、約1万4千)を、遠心分離機を用いた過重力環境下で生育させ、胚軸の長さと細胞壁強度を指標としている。現在までに、入手したラインのうち、約20%を300 gの過重力環境下で生育させ、胚軸の長さと細胞壁強度を測定した。その結果、野生型と比べ、過重力により胚軸成長の阻害の程度が低いものや細胞壁強度の増加の程度が低いものが単離されつつある。現在、得られた変異体の細胞壁多糖の代謝や微小管の配向などを解析するために必要な種子を確保しているところである。 重力応答性遺伝子の探索は、300 g環境下で、0.5、1、3、6、12、24時間生育させた芽生えを材料とし、cDNAマイクロアレイ法によって行った。対照である1 g環境下でも、予想よりはるかに多い数の遺伝子の発現が24時間の生育時間の間に変化した。また、300 g環境下においたものでは、一過的に発現が変化するものや、時間とともに発現が増加するもの、逆に時間とともに発現が低下するものなど多くの候補遺伝子が得られた。現在、それらの遺伝子の発現をリアルタイムPCRを用いて詳細に解析する準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費が執行できるようになったのが遅れたため、当初の予定よりは少し遅れているが、計画は問題なく進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に引き続き、変異体および応答遺伝子の探索を行う。既に得られている変異体に関しては、細胞壁多糖の代謝や微小管の配向などを解析する。また、過重力により発現が変化した遺伝子の破壊株や過剰発現株を準備し、抗重力反応を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費が執行できるようになったのが遅れたため、当初の予定よりcDNAマイクロアレイ解析の実施が遅くなった。そのため、当初予定していたリアルタイムPCRを用いた発現解析のための試薬類を購入しなかった。平成24年度に詳細な発現解析を行うので、問題なく全額の執行を行うことができる。
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Research Products
(3 results)