2012 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド-受容体―受容体修飾蛋白の共進化機構解明:ナメクジウオカルシトニンの研究
Project/Area Number |
23770069
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
関口 俊男 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (40378568)
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Keywords | Calcitonin / ナメクジウオ / Calcitonin 受容体 / 受容体修飾蛋白 / RAMP / 分子進化 |
Research Abstract |
前年度、ナメクジウオの Calcitonin (Bf-CT) が ナメクジウオ Calcitonin 受容体(Bf-CTR)と修飾蛋白RAMP(Bf-RAMP)に結合して、細胞内シグナルを伝達することを明らかにしている。 本年度は、まず、①その結合にBf-CTRとBf-RAMPの共存が必須であるかどうか、②3種類のBf-CTが1種類のBf-CTRに結合する際に、3種類のBf-RAMPがどのような影響を与えるかを検討した。その結果、①Bf-CTR単独では活性を示さないこと、②各Bf-CTは、Bf-RAMPの種類とは無関係にBf-CTRを活性化することを明らかにした。脊椎動物において、RAMPは3種類存在し、RAMPの種類により強く結合するペプチドの種類が変化することが知られている。ナメクジウオのRAMPは、このようなペプチドのリガンド選択には関与していないことが示唆された。 さらに、Bf-CTR単独では活性がない原因として、Bf-CTR単独で細胞表面に局在していない可能性が考えられた。そこで、標識をつけたBf-CTRを哺乳類細胞株に発現させ、細胞膜における局在をFACSにより解析した結果、Bf-CTRは単独では細胞膜に局在できず、Bf-RAMPと共発現することによって細胞膜表面に局在することをつきとめた。このように脊椎動物のRAMPに認められる細胞膜移行活性がナメクジウオのRAMPにも存在することを明らかにした。 以上のことから、ナメクジウオと脊椎動物の共通祖先では、細胞膜に移行できないタイプの Calcitonin 受容体が既に存在していたこと、RAMPはその細胞膜移行に関与しており、RAMPのリガンド選択性は、脊椎動物への進化で新たに獲得された形質であることが示唆された。現在、上記の結果をまとめ論文を作成している。
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[Journal Article] Determination of calcium sensing receptor in the scales of goldfish and induction of its mRNA expression by acceleration loading.2012
Author(s)
Kakikawa, M., Yamamoto, T., Chowdhury, V.S., Satoh, Y., Kitamura, K., Sekiguchi, T., et. al.
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Journal Title
Biol. Sci. Space
Volume: 26
Pages: 26-31
Peer Reviewed
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[Journal Article] Static and dynamic hypergravity responses of osteoblasts and osteoclasts in medaka scales.2012
Author(s)
Yano, S., Kitamura, K., Satoh, Y., Nakano, M., Hattori, A., Sekiguchi, T., et. al.
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Journal Title
Zool Sci.
Volume: 30
Pages: 217-223
DOI
Peer Reviewed
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